【スプリングS】ヴィクティファルス豪快差し!池添 グレード制導入後初の兄弟重賞V
2021年03月22日 05:30
競馬
謙一「凄くうれしいですし、もっと一緒に勝ちたいと思います」
学師「初めてなのでうれしいです。3週続けて追い切りに乗ってもらって、つかんでくれていた。惑わされずにワンテンポ仕掛けを遅らせて、良い勝ち方だったと思います」
初めて経験する中山、強風も問題なかった。母の父にガリレオがいる欧州血統のヴィクティファルスは、降雨でぬかるんだ重馬場を味方につけた。道中は中団で脚を温存。4角で早めに進出する他馬を尻目に大外を回って直線に向くと、メンバー最速の上がり3F36秒1の剛脚を発揮。先に抜け出していた2着馬に並ぶと激しい併せ馬の末に頭差先着した。初騎乗だった兄は「悪い馬場でもリズム良く走ってくれた。追い出してからもしっかり反応してくれて、こういう馬場でも踏ん張って伸びてくれた」と相棒を称えた。
競馬一家の池添家。学師も父・兼雄師や兄と同じく騎手を目指したが、体が大きくなったことで断念。父の下で調教担当の「攻め専」として経験を積み、13年に調教師試験に合格、15年に開業した。そんな若きトレーナー期待の素質馬について、2人は「まだまだ強くなる。この先が楽しみ」と口をそろえる。今後は慎重に馬の状態を見ながらだが、優先出走権を手にした皐月賞を見据えている。
謙一の当レース制覇は10年ぶり2度目。3冠を含む11年オルフェーヴルの6連勝は、このスプリングSから始まった。「弟の管理馬でG1を勝ちたい」。兄は弟の調教師試験合格時にこう話した。8年前に語った夢へ。記念すべき兄弟初重賞Vはスタートにすぎない。
◆ヴィクティファルス 父ハーツクライ 母ヴィルジニア(母の父ガリレオ)18年5月1日生まれ 牡3歳 栗東・池添学厩舎所属 馬主・G1レーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金7720万円。馬名の由来は木星のガリレオ4衛星の一つ。