【スプリングS】ヴィクティファルス豪快差し!池添 グレード制導入後初の兄弟重賞V

2021年03月22日 05:30

競馬

【スプリングS】ヴィクティファルス豪快差し!池添 グレード制導入後初の兄弟重賞V
スプリングSを制したヴィクティファルス(中央)=撮影・郡司 修 Photo By スポニチ
 「第70回スプリングS」が21日、中山競馬場で行われ、3番人気ヴィクティファルスが接戦を制して重賞初制覇。鞍上・池添謙一(41)と管理する池添学師(40)は、84年のグレード制導入以降では初の兄弟での重賞勝利となった。2着アサマノイタズラ、3着ボーデンまでが皐月賞(4月18日、中山)の優先出走権を獲得した。また「第69回阪神大賞典」はディープボンドが2度目の重賞V。天皇賞・春(5月2日、阪神)の主役候補に名乗りを上げた。
 兄は喜びがあふれて笑顔で写真撮影に応じるが、弟は少しぎごちない。「硬いよ~。笑わんかい」と笑顔を引き出すのは兄の謙一だ。やっと弟の学師の表情もほころび、2人そろって笑顔になった。ヴィクティファルスで臨んだスプリングSが、兄弟で挑んだ11回目の重賞。悲願の初制覇に、兄弟は検量室前で拳を突き合わせた。調教師と騎手。父子制覇は多くあるが、年齢の近い兄弟での制覇は極めて異例。謙一は照れくさそうな弟に抱きつき、喜びを爆発させた。

 謙一「凄くうれしいですし、もっと一緒に勝ちたいと思います」

 学師「初めてなのでうれしいです。3週続けて追い切りに乗ってもらって、つかんでくれていた。惑わされずにワンテンポ仕掛けを遅らせて、良い勝ち方だったと思います」

 初めて経験する中山、強風も問題なかった。母の父にガリレオがいる欧州血統のヴィクティファルスは、降雨でぬかるんだ重馬場を味方につけた。道中は中団で脚を温存。4角で早めに進出する他馬を尻目に大外を回って直線に向くと、メンバー最速の上がり3F36秒1の剛脚を発揮。先に抜け出していた2着馬に並ぶと激しい併せ馬の末に頭差先着した。初騎乗だった兄は「悪い馬場でもリズム良く走ってくれた。追い出してからもしっかり反応してくれて、こういう馬場でも踏ん張って伸びてくれた」と相棒を称えた。

 競馬一家の池添家。学師も父・兼雄師や兄と同じく騎手を目指したが、体が大きくなったことで断念。父の下で調教担当の「攻め専」として経験を積み、13年に調教師試験に合格、15年に開業した。そんな若きトレーナー期待の素質馬について、2人は「まだまだ強くなる。この先が楽しみ」と口をそろえる。今後は慎重に馬の状態を見ながらだが、優先出走権を手にした皐月賞を見据えている。

 謙一の当レース制覇は10年ぶり2度目。3冠を含む11年オルフェーヴルの6連勝は、このスプリングSから始まった。「弟の管理馬でG1を勝ちたい」。兄は弟の調教師試験合格時にこう話した。8年前に語った夢へ。記念すべき兄弟初重賞Vはスタートにすぎない。

 ◆ヴィクティファルス 父ハーツクライ 母ヴィルジニア(母の父ガリレオ)18年5月1日生まれ 牡3歳 栗東・池添学厩舎所属 馬主・G1レーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績3戦2勝(重賞初勝利) 総獲得賞金7720万円。馬名の由来は木星のガリレオ4衛星の一つ。

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