【NHKマイルC】グレナディアガーズ95点 王座守る最強のトモ!
2021年05月04日 05:30
競馬
コントレイルは竹のようにしなやかな筋肉が、レイデオロは峰のように突出したキ甲(首と背の間のふくらみ)が、ミッキークイーンは羽毛布団のようにふっくらした腹周りが体を大きく見せた。グレナディアガーズを実際の体重より40キロも大きく見せたのは岩のようなトモ。朝日杯FSでは車のエンジン部に相当するトモのパワーを立派な飛節が推進力に換えてG1制覇を遂げたのでした。
あれから4カ月。トモのつくりは相変わらず凄い。2歳時には物足りなかったヒ腹の張りも増して、余裕が出てきた。体つきは着実に成長していますが、もっと変わったのが顔つきです。目力が強くなり、耳を鋭く立てながら鼻の穴をしっかり開いている。若駒らしい優しい顔から競走馬の精かんな顔へ。立ち姿も良くなった。朝日杯時は英国バッキンガム宮殿の前に立つ近衛歩兵連隊(グレナディアガーズ)のように肩に力を入れてましたが、今回は力みが取れている。引き手がたるむぐらいゆったりとハミを受け、穏やかに立ってます。
英王室を警護するグレナディアガーズといえば深紅の制服とモコモコした大きな黒い帽子が特徴。高さ45センチもある帽子をかぶるのは体を大きく見せ、世界一流を誇示するためだったとか。競走馬のグレナディアガーズが馬体を大きく見せるのも一流の証明です。 (NHK解説者)
◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の77歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。