【帝王賞】テーオーケインズ 圧巻3馬身差でG1初制覇!松山「理想的な競馬」

2021年07月01日 05:30

競馬

【帝王賞】テーオーケインズ 圧巻3馬身差でG1初制覇!松山「理想的な競馬」
<帝王賞>3馬身差で快勝したテーオーケインズ(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 雨上がりの夜空に砂の新星が輝いた。上半期の古馬ダート競馬の頂上決戦「第44回帝王賞」が6月30日、大井競馬場で行われ、4番人気の中央馬テーオーケインズが3連勝でG1初制覇を飾った。鞍上の松山弘平(31)、管理する高柳大輔師(44)共に帝王賞初V。2着に地元大井所属の9歳馬ノンコノユメ、3着に6番人気クリンチャーが入り、3連単238万7990円はレース史上最高配当の大波乱となった。
 テーオーケインズが最内から一気に突き抜けた。スタートを決め好位5番手を確保。「思っていた通りのポジションでしっかり折り合えた。理想的な競馬でした」。鞍上の松山が振り返ったように、内ラチ沿いの経済コースを走り、逃げたカジノフォンテンの直後で脚をためた。直線入り口。外から殺到するライバルを尻目に、ラチ沿いにぽっかり空いた進路を逃さず直進。残り200メートルで抜け出して外にフラついたが、既に勝負あり。追い上げる後続を3馬身差ちぎっての完勝。松山はステッキを持つ左手を高々と掲げた。

 松山は6月27日の阪神新馬戦で本馬場入場の際、他馬に乗りかけられて落馬。顔面や右腕を打撲し、宝塚記念を含む以降のレースを乗り替わった。幸いにも軽傷。アクシデント明けだったが、冷静な騎乗で相棒を勝利へと導いた。「相手は強いが、やってくれると信じて乗った。最後は鋭く伸びて後ろも突き放してくれた。これだけの相手にこれだけの強い内容。よく頑張りました」と称えた。

 18年開業の高柳大師は交流G1初制覇。「松山君と立てた作戦通りの競馬。安心して見ていられた。能力がある馬なので、勝てたことにホッとしている」と喜びをかみしめた。昨年暮れの東京大賞典では6着止まりだったが「補欠から急に繰り上がったので」と中8日での強行軍。「無理に使ったが、あの時の経験も生きた」と語った。ゴール前で2度、外によれたように気難しい面も残すが「精神的にはだいぶ大人になった」と目を細めた。

 3連勝で一気にG1制圧。「まだ4歳なので、もっと強くなると思う」とトレーナーは胸を張る。今後は放牧に出され、秋は再びG1戦線へ。「選択肢が増えたのでJBC(クラシック、11月3日、金沢)やチャンピオンズC(12月5日、中京)を視野に入れたい」と夢は膨らんだ。名実共に「砂の帝王」の称号をつかんだテーオーケインズ。若き砂王の前途は限りなく明るい。

 ◆テーオーケインズ 父シニスターミニスター 母マキシムカフェ(母の父マンハッタンカフェ) 牡4歳 栗東・高柳大輔厩舎 馬主・小笹公也氏 生産者・北海道日高町のヤナガワ牧場 戦績13戦7勝(南関東2戦1勝) 総獲得賞金1億9171万5000円 重賞は21年アンタレスSに続き2勝目。馬名の由来は冠名+著名な経済学者の名。

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