大竹師 グレーターロンドンに学んだ厩舎一丸の精神

2023年07月21日 05:00

競馬

大竹師 グレーターロンドンに学んだ厩舎一丸の精神
デビュー戦を圧勝したグレーターロンドンと大竹調教師(左から2人目)(撮影・村上大輔) Photo By スポニチ
 【競馬人生劇場・平松さとし】今週末、中京競馬場では中京記念が行われる。5年前の2018年、このレースを制したのがグレーターロンドンだ。「童顔ということもあり、本当に可愛い馬でした」。同馬をそう評したのは管理した大竹正博師。同時に「いろいろなことを学ばせてもらった馬でもありました」と語った。
 大竹師にそう語らせた理由は、グレーターロンドンが慢性的な蹄の不安に悩まされていたから。蹄葉炎で1年以上の休養を挟みながら5連勝をマークするなど、ポテンシャルの高さは疑いようがなく、師は次のように例えている。

 「クルマに例えては失礼かもしれませんが、サラブレッドがF1マシンだとすれば、我々厩舎スタッフはピットクルーのようなもの。各人が自分の持ち場を守りつつ、皆で相談しながらチューンアップしていく。そんな大切さを教えてくれたのがグレーターロンドンでした」

 補足すれば若駒の頃の同馬は物凄い馬力のエンジンを搭載しながら、タイヤやシャシーがそれに耐え得るだけのしっかりしたものではなかった、ということだろう。そんな脚周りを、大竹師をはじめとした厩舎のスタッフ全員で強化。デビュー戦から約3年半、レース数にして15戦目となった18年の中京記念で、その努力がついに開花。1分32秒3というレコードタイムで、念願の重賞初制覇を成し遂げてみせたのだ。

 「レース当日は40度近い気温の猛暑日でしたが、グレーターはへこたれずに頑張ってくれました。直前に1400メートル戦を使っていたせいか、いつもより前の位置で流れに乗れました。本当に苦労して愛着のある馬だけに、重賞を勝てたのはうれしかったです」

 その後、再び蹄葉炎の可能性が心配される症状が出たため引退となってしまったが、最後に大仕事ができたのは、調教師にとっても厩舎にとっても大きな収穫だった。果たして今年はどんなドラマが待っているのか。 (フリーライター)

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