桜敗戦乗り越え樫制したイソノルーブルと松永幹師
2024年04月05日 05:05
競馬
松永幹師が振り返る。「蹄鉄を打ち直そうとしたけど、抑え付けられたためにイレ込んで、尋常でないほど汗をかいてしまいました。これではまともな精神状態で走れない」。そう感じると、案の定だったと言い、さらに続ける。「この時点で自分はまだG1を勝ったことがありませんでした。ここはチャンス到来と思ったらこんなことになってしまい、一生G1を勝てないんじゃないか…と思ったものです」。
しかし、ご存じの通り松永騎手とイソノルーブルのコンビは、続くオークスを見事に逃げ切り勝利。人馬共に初となるG1制覇を成し遂げてみせるのだった。もし桜花賞をすんなり逃げ切れていればオークスでのマークは厳しくなっただろう。まさに“人間万事塞翁(さいおう)が馬”を思わせるG1初勝利劇だった。「大外20番枠だったし、正直、厳しいと思っていましたが、ギリギリ粘り込んでくれました。差はわずか(鼻差)だったけど勝ったのは分かりました。とにかく直線が長く感じただけに、G1制覇の味は格別でした」。
今年の桜花賞、松永幹師はハワイアンティアレを送り込む。どんなレースになるのか、この後のオークスへ続く一戦としても注目したい。 (フリーライター)