【スポニチ・ケイリン・クラブ 競輪記者コラム緒方泰士】新田祐大 激走でパリ五輪にエールを

2024年08月06日 04:30

競輪

【スポニチ・ケイリン・クラブ 競輪記者コラム緒方泰士】新田祐大 激走でパリ五輪にエールを
新田 祐大
 経験したことのない40度に迫る猛暑が続いている。選手はレース前は首に巻く保冷剤を使用したりアップの時間を調整したりと、さまざまな暑さ対策を取り入れている。それでも一番多かったのは「とにかく次の日に疲れを残さないようにしっかり寝ます」だった。
 厳しいコンディションが続く中、次のG3は8日からの松山競輪「施設整備等協賛競輪 道後温泉杯争覇戦」。13日から平塚競輪G1オールスターが始まるのでSS班選手が不在の“裏開催”。その中で、あれっ?という名前が新田祐大だ。井上茂徳、滝沢正光、神山雄一郎に次いで4人目となるG1全てを制したグランドスラマーで、自転車競技でも輝かしい成績を残してきた。オールスターに出られない理由は2月の全日本選抜(岐阜)での先頭誘導員早期追い抜き失格による長期欠場にある。6月に復帰してから優勝こそないが、随所で爆発的なパワーを見せて健在をアピールする。格が違う選手の登場で、シリーズは新田の独壇場になる。

 以前は全てにストイックで、近寄りにくい雰囲気があったが、今はレース後のインタビューで時にジョークが出るなど、レースを楽しんでいるかのような印象がある。若手の躍進は著しいが、それを力で受け止める。7月のサマーナイトフェスティバル(松戸)を連勝で勝ち上がった時のファンからの声援は絶大だった。

 東京五輪ではスプリントとケイリンに出場したが、結果を残すことはできなかった。自転車競技を引退してからは競輪に専念するが、競技と両立する選手の手本になっている。ちょうど松山開催の時に新田からバトンを受け継いだ太田海也、中野慎詞がパリで本番のレースを迎えることになる。どんな思いで彼らの勇姿を見つめるのか。猛暑を吹き飛ばす激走を見せてパリにエールを送る。

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