【宇都宮競輪 G2共同通信社杯】真杉匠が頂点 最悪の流れも地元バンクを味方に躍動 古性を差した
2024年09月16日 18:29
競輪
号砲。前中団を狙ったスタート合戦では、別線との駆け引きにより一番前に押し出される形。すでにここで想定は狂った。後ろ攻め山崎の上昇に3番手の古性がすかさず反応。「あそこでやり合っても仕方ない」。先切りを許すと、ホームカマシで郡司―深谷が前に躍り出て、真杉は最後方に置かれる最悪の流れになった。
ここからが神懸かり的なパフォーマンスだった。最終バック、九州3番手をさばいていた古性が自力変化の北津留を追う流れ。「もう踏むしかない」。意を決した真杉。フルスピードで南の内に切り込み、古性を追走。宇都宮名物の“滑走路”勝負に持ち込んだ。そしてかわした。
「最後は自分を信じて踏んだ。今年は始まる前からケガをして出遅れた。正直、直前の練習でも深谷さんや寺崎さんにちぎれっぱなし。不安しかなかったけど何とか修正できた。でも先行が減って、決まり手も捲りばかり。まだ自分らしい走りが全くできていないので、これから戻していく」
優勝賞金2890万円(副賞含む)を加算して、賞金ランクは11位から6位にジャンプアップしたが「まだG1は2つ残っている。優勝してグランプリの切符を獲りたい」。賞金枠ではなく、あくまでG1優先枠でのグランプリ出場を目指すと力強く宣言した。
◇真杉 匠(ますぎ・たくみ)1999年(平11)2月1日生まれ、宇都宮市出身の25歳。作新学院高卒。通算532戦208勝。通算取得賞金は3億8122万円。主な優勝は第66回オールスター競輪(23年)、第65回競輪祭(23年)、第20回サマーナイトフェスティバル(24年)、第40回共同通信社杯競輪(24年)。1メートル75、76キロ。血液型A。