【競輪コラム】坂口晃輔 落車事故を経験して迷いが消えた ラインのために今日も身を削って走る
2024年10月24日 05:00
競輪
「医者からは“1年くらいは走らないでしょ。セカンドインパクトがあると寝たきりになりますよ”と言われました。家族からも走らないでほしいと言われた」
それでも事故からわずか2カ月で忍者はバンクに帰ってきた。復帰3場所目の10月川崎G3では白星も獲得。「まだ、しびれはありますよ。電気風呂に入っている感じ。ただ、走りたいし、ラインに迷惑を掛けられない。バンクは戦う場所だと思っているので」。レース後は手を握って開いてを繰り返し、きつそうだったが、レースになればいつも通り。まさに身を削りながら己の走りを貫いている。
長年、層が薄いとされている中部地区。若手の機動型が迷いなく仕掛けるには、誰よりも仕事をする坂口の存在が不可欠だ。「また上で戦いたい。あとはラインとして自分の仕事をしたいんです」と迷いはない。命取りとなる落車への恐怖を乗り越えて。伊賀の忍者はラインのために走り続ける。(渡辺 雄人)