トラブル続出アフリカ選手権…イメージ悪化も幹部は逆ギレ
2015年02月10日 12:40
サッカー
(1)開催国変更 昨年10月、当初の開催国だったモロッコが西アフリカでのエボラ出血熱の感染拡大を恐れて6カ月の延期を要請した。しかしCAFは日程変更を認めず、同11月にモロッコから開催権と出場権を剥奪。代替開催国に指名したのが12年大会をガボンと共催した赤道ギニアだった。
実は、赤道ギニアは予選で出場資格のない選手を起用して失格処分を受けていた。オイルマネーで潤うギニア湾の小国はこれまでも“輸入選手”中心に代表を編成してきたが、今回は他国で代表歴のある選手を偽って出場させた悪質なもの。それでもCAFは開催国に決まるとあっさり出場を認めた。CAFのメンツをつぶしたと言わんばかりに、モロッコを17、19年の2大会出場禁止処分にしたのとは対照的だ。
(2)疑惑の判定 赤道ギニアは準々決勝で延長の末にチュニジアを2―1で破った。だが、1―1に追いついた後半ロスタイムのPKはモーリシャス人主審がわずかな接触をファウルと判定したもの。地元びいきとの批判が起き、CAFは同主審を6カ月の活動停止として誤審を事実上認めた。
一方、激怒した選手が主審に襲いかかり、ロッカーを破壊したチュニジアにも罰金と協会のジェリ会長への資格停止処分。CAFはさらに、3月末までに謝罪しなければ17年大会から除外すると迫った。チュニジアは謝罪を断固拒否している。
(3)暴動 準決勝では赤道ギニアがガーナに0―3と完敗。怒った地元観客が物を投げ込んだり、ガーナファンを襲撃するなど暴徒化し、試合は後半37分から34分間中断した。CAFは赤道ギニアに10万ドル(約1180万円)と負傷者への治療費の支払いを命じた。
一連の問題の対処ではCAFの強権的体質が目立つ。FIFA副会長でもあるハヤトウ会長は絶大な権力でトップの座に27年間君臨。収賄容疑の噂も絶えず、欧州メディアから批判されている。19年アフリカ選手権は同会長の母国カメルーンで開催。自ら開催地を決めたとの声がもっぱらだ。