カズも絶賛「躍動してた」 11継承 宇佐美が日本のアクセントに
2015年06月12日 07:13
サッカー
背番号11にふさわしいパフォーマンスだった。宇佐美が待望のAマッチ初先発を果たし、鮮やかなアシストや高い個人技で攻撃を活性化。文句なしの先発デビューで、4―0の圧勝に貢献した。
前半32分だ。鋭いドリブルで相手DF4人を引き連れ、ゴール前の岡崎に正確なラストパス。ダメ押しの3点目をアシストし「自分で突破しても良かったけど、岡ちゃんがフリーだったので」と力強くうなずいた。
前半9分には、自ら獲得したCKが槙野の2点目につながった。同7分と13分には強烈なミドルで相手GKを脅かすなど多彩なプレーで攻撃をけん引した。「話さなくても2人で崩せる」と、トップ下の香川とも好連係。後半21分に交代するまでハリルホジッチ監督が求めた「アグレッシブな姿勢」を示し続けた。
スタンドでは「代表の背番号11」を象徴する存在であるJ2横浜FCのFW三浦が観戦。背番号を受け継いだ後輩を「躍動してたね。良かった」と絶賛した。“レジェンド級”のプレーで応えた宇佐美は「まだまだ全然でしょ。凄さの質が違いますから」と謙虚に振り返ったものの、新エース襲名の予感が漂った。
ハリルホジッチ監督の先発抜てきに期するものもあった。5月の代表候補合宿では、指揮官からボールを受ける際の足の角度などプレー面からプライベートまで個人指導を受けた。「ピッチ上だけじゃなく、私生活の面でも要求に応えられるようにやっていきたい」。その際に手渡された練習メニューに取り組んで体脂肪率を改善し長いと指摘された前髪は切った。
できることを全てやってつかんだ待望の切符に燃えた。「CLで聞いたアンセム(大会テーマ曲)よりも、きょうの国歌の方が感慨深かった」。12年の欧州チャンピオンズリーグで、ドイツの強豪バイエルンMの一員として決勝でベンチ入りしたという日本人初の快挙より、日の丸への思いが勝った。代表から漏れ続けた昨年「まだ国を背負うレベルにない」と語っていた。悔しさを力に変えたストライカーは1年後、堂々と国を背負う存在に成長した。
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