【女子W杯 決勝T1回戦 日本1―2オランダ ( 2019年6月25日 レンヌ )】
決勝トーナメントは結果が全てだ。立ち上がりは相手にパワーで押されたが、その後は落ち着き、ボランチがさばいてチャンスをつくっていた。後半の中盤以降は決定力さえあれば仕留めることができた。失点はCKとPKだが、CKはニアの速いボール。股の間を抜かれる不運もあったが、セットプレーは勝敗を分けるだけに、細心の注意が欲しい。内容がいいだけになおさら結果も欲しかった。
ベンチはもっと早く選手交代で変化をつけてもよかった。岩渕は足が止まっていた。籾木が良かったし、主導権を取って攻めているときに横山のミドルシュートも有効だった。大会を通して気づいたのは(1)前線からの守備の精度を上げる(2)相手に速く攻められたときの最終ラインの対応(3)前線からもっと全員がスライディングする(4)長い距離を走って打つシュートが浮きすぎるなどの反省点だ。ただし、チームとしては一戦一戦の経験をプラスにしていた。杉田と三浦のダブルボランチが成長したし、東京五輪へ向けて予想以上に若い選手が力をつけたと思う。 (元なでしこジャパン監督)