鳥栖 トーレス完全燃焼「後悔は何もない」神の子の旅が極東で終わった
2019年08月24日 05:30
サッカー
世界を魅了してきたストライカーのラストゲーム。最後の一瞬まで信念を貫き、「ファンのためにゴールを決める」と宣言した通りに走り続けた。後半14分にはオフサイドとなったがペナルティーエリア左から進入して好機をうかがった。立て続けにシュートも3本放った。大量リードを奪われた展開の中、最後まで闘争心をむき出しにして戦った。時に膝に手をつくほど疲労は蓄積された。「高いレベルでプレーできなくなり、それなら今の時点でサッカー人生を終えたいと思った」というのが引退の理由。全盛期からは程遠い。それでもストライカーとしての誇り、本能が体を突き動かした。
最後まで枠を捉えられなかった。だが、華やかなキャリアが色あせることはない。01年のプロデビュー後、欧州の強豪クラブでプレー。スペイン代表で通算110試合に出場して38ゴールを挙げ、10年のW杯南アフリカ大会では初優勝に貢献した。セレモニーでは家族から花束を受け取ると、熱い声援の中、ゆっくりと場内を1周。ピッチ上でセレモニーを見守った元スペイン代表の盟友、イニエスタ、ビジャと熱い抱擁を交わした。
今後は鳥栖のアドバイザーを務める。「この地にチャンピオンクラブができるよう働いていく」とつながりを持ち続けていくことを約束。佐賀県のスポーツ選手育成のアドバイザー役としても期待されている。「また訪れて観光や食事を楽しむ時間を過ごしたい」。大好きな日本にまた戻ってくるつもりだ。
試合後のピッチでは子供たちと一緒にシュートを蹴り、この日ファンに見せられなかったゴールを一緒に披露してみせた。「8歳で始めた大好きなサッカーを仕事にできて本当に幸せだった」。記憶に残る世界的ストライカーは、爽やかにシューズを脱いだ。
◆フェルナンド・トーレス 1984年3月20日生まれ、スペイン・マドリード出身の35歳。Aマドリードの下部組織から01年にトップ昇格。その後、リバプール、チェルシーとプレミアリーグで活躍し、ACミランへ。15年、Aマドリードに復帰。スペイン代表としても10年W杯南アフリカ大会、08、12年欧州選手権で優勝。18年7月に鳥栖に加入。1メートル86、78キロ。利き足は右。
おすすめテーマ
2019年08月24日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
鳥栖 トーレス完全燃焼「後悔は何もない」神の子の旅が極東で終わった
-
トーレスに聞く「これからも日本に学び続けていきたい」
-
トーレスが鳥栖に残した「世界基準」「プロの姿勢」
-
神戸イニエスタ PK&超絶パス 惜別の全力プレー
-
松本J1初逆転〇 高橋1G1A残留に弾み「次につなげられれば」
-
浦和 先発7人変更&今季初ウルトラ弾も逆転負け
-
G大阪 23歳バースデー井手口 献身勝ち点1
-
鹿島DF小泉 痛恨PK献上でドロー「あの場面がなかったら…」
-
U22代表GKオビ「横浜に魅力感じた」 来季入団内定会見
-
マジョルカ久保 25日デビューへ CEO「攻撃補強に最適」出場へ書類急ピッチ
-
ジダン監督“マドリードの未来”久保にエール「成長続けて」
-
日本協会技術委、9月海外組招集へレター送付済み
-
川口能活氏、U―22代表GKコーチに 東京五輪世代育てる
-
Eフランクフルト惜敗 混戦から失点…長谷部悔やむ「プレゼント」
-
ハーツ指揮官、食野に高評価「才能に恵まれている。印象は良い」
-
ボローニャ冨安 セリエA長友以来の日本人「価値見せつける!」