鹿島MFレオ・シルバが24日で34歳に。稀代のボランチは、なぜピッチで笑うのか
2019年12月24日 21:30
サッカー
天皇杯決勝に向けた練習後、誕生日を迎えた心境を聞いてみると、温かい日本語の言葉がたくさん返ってきた。
レオ・シルバが新潟加入とともに13年に来日してから、丸7年が経とうとしている。新潟から鹿島に移籍して今季で3年目。右ハムストリング筋損傷などに苦しんだ時期もあったが、ピッチに立てば抜群の推進力と運動量を誇る。今季も存在感は際立っていた。
週一回のペースで家族とともに回転寿司に通っていたエピソード。通訳を介す前に番記者の質問を理解してうなずく様子。練習後の駐車場で、頭を下げながら「お疲れ様です」と口にするあいさつ。いつも国籍を忘れて日本語で話しかけたくなってしまう存在だ。
そんなレオ・シルバが今年の10月末、右ハムストリング筋損傷からの復帰直前に語ってくれた話が、私には響いた。
要約すると、「なぜ、笑っているのですか」と聞いた。
チームメートから見ても、レオ・シルバは試合中、楽しそうにいきいきと笑顔でプレーしているのだという。しかも、特に苦しいはずのゲームで。
「サッカーは楽しい。楽しいことをしているから、自然に笑みは出る。それに試合中は時たま“面白事件”が起きたりするから」
にこにこしながら、理由を教えてくれた。
「(笑顔でいることで)自分が伝えるイメージもある。それはチームメートに対しても、離ればなれになっている家族、奥さん、子供に対しても。“元気だよ”という姿を見せてあげなくちゃいけない。サポーターも喜びを感じていることが分かれば、応援したくなると思う」
少し真剣な表情になって言った。
それからまた笑顔になって続けた。
「神様は僕に、サッカーができる能力を与えてくれた。その能力で、日本に来る、ビッググラブでプレーする機会が与えられているので、幸せな状況にある。だから笑顔でいることは当たり前なこと」
レオ・シルバはなぜ周囲から愛され、ファンから愛され、サッカーから愛されるのか。それが「笑う理由」に見えた気がした。年齢を重ねても、サッカーへの愛情と感謝を笑みに込めて、ボールを蹴り続けていくのだと思った。 (波多野 詩菜)
おすすめテーマ
2019年12月24日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
大分 広島からFW渡大生が完全移籍「少しでも毎日前に進みたい」
-
J2新潟 DF早川史哉と契約更新合意 白血病から3年ぶり試合出場「さまざまな想いを共有させて」
-
フィテッセ退団の本田が笑顔で帰国 退団理由は「個人的なこだわり」移籍先は「考えます」
-
MF太田吉彰が現役引退「磐田ではじまり磐田で終わる」仙台含め18年間のプロ人生にピリオド
-
清水がサッカー事業本部を大シャッフル 大熊氏がGM就任、大榎GMは強化部長 兵働コーチはスカウト転身
-
横浜 J2徳島からGK梶川裕嗣が完全移籍「Jリーグ連覇、ACL優勝の力になれるように」
-
仙台 地元出身MF吉野恭平が広島から完全移籍「仙台でプレーできるよろこびを…」
-
ボローニャDF冨安が帰国 カテナチオの国で心身ともタフさ増す
-
浦和 来季の1stユニホームを発表 赤いダイヤの輝きを表現
-
本田、フィテッセ退団 移籍わずか1カ月半 出場4試合のみ 恩師の退任に「責任感じている」
-
横浜、C大阪・水沼&J2金沢・山本の完全移籍での獲得へ
-
浦和 日の丸カラーの2ndユニ発表 首裏にクラブの誇り“We are REDS!”
-
湘南・杉岡、浦和からオファーも断り 他に複数クラブからも
-
J2千葉、磐田契約満了の田口獲得濃厚 代表経験の高精度キック持つボランチ
-
Jパワハラ再発防止研修会に湘南前監督・曺氏招へいへ 村井チェアマンのプランで
-
岡崎、香川に完勝 アラゴン州日本人対決 左足で合わせ今季4点目
-
原口、冬季休暇で帰国 不調経験も“元気”らしい対処法