熊本に尽力し続ける元日本代表・巻誠一郎氏 “サプライズ選出”から14年、現在の取り組み
2020年08月15日 08:00
サッカー
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そんな巻が最も評価されていたのは、チームのために全力で戦い続ける姿だった。06年W杯ドイツ大会では、当落線上と予想されていた中で当時のジーコ監督による“サプライズ選出”を果たした。
ジーコ元日本代表監督「…タマダ、マキ」
当確とされていたエース久保竜彦の落選、巻の選出に列島は驚き、号外まで配られた。ジーコ監督は、チームのために全力で戦い続ける巻を高く評価していた。
その後は、海外を含む複数クラブを渡り歩き、2014年J2熊本に移籍し故郷に戻ってきた。「熊本にロアッソというサッカーを広める、J1に上がって本気でそういうのを目指したい」。プレーでは強烈なヘディングシュートでサポーターを沸かし、ピッチの外では積極的に交流を図った。さらに、サッカースクールを開くなど次代の育成にも力を入れていた。
だがその矢先、悲劇が襲った。2016年4月、熊本地震が発生。故郷に大きな爪痕を残した。「僕がすごい大好きだった熊本の町だったり、みんなの笑顔っていうのが失われていく中で、サッカー出来る環境じゃない選手もいます。今まで以上の熊本っていうのを作っていきたい」と、巻は自らも被災しながらプロ選手として何が出来るのかを考えた。そして。地震発生から3カ月もの間、ほぼ毎日避難所を訪れ支援物資を届けた。「ピッチの中でサポーターの皆さんや他の選手たちにやっている振る舞いをそのままピッチの外でも表現できたら良いんじゃないかと思って。次へ向かうエネルギーにしようと思って避難所に行っていた」と振り返る。
その後熊本で3年間プレーし、2018年シーズンを最後に38歳で現役を引退。現在は家族とともに故郷で第二の人生を歩んでいる。巻は元サッカー日本代表という誇りを胸に、今も走り続けている。番組取材班が向かったのはビニールハウス。色鮮やかなミニトマトが実り、巻は黙々と収穫作業を進めていた。しかし、彼の仕事は農業というわけではない。「サッカーの時に燃やした情熱を、そのまま次のステージで自分がやりたいことにぶつけているっていうイメージですかね。プレースタイルと一緒ですね、泥臭く前に進んでいく感じは」。元日本代表の誇りを胸に走り続けている巻の、新たなステージとは。
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