関東第一“ジャイキリ”静学撃破で初4強!PK戦「楽しんだもん勝ち」GK笠島止めた
2022年01月05日 05:30
サッカー
80分間で浴びたシュートは18本。だが許したのは1点だけ。PK戦に持ち込んだ笠島は笑っていた。「PK戦は楽しんだもん勝ちですから」。2回戦の尚志戦もPK戦を制した。静岡学園のデータはなかったが、自信があった。
土壇場からの“ジャイキリ”だった。1点を追う後半40分、値千金の同点弾が決まる。一瞬の隙を突いた逆襲のカウンター。最後は坂井がMF日下空(3年)の左クロスに滑り込んだ。「日下が縦に行くのは分かった。1つギアを上げました。触れて良かったです」。序盤から圧倒的に支配された。それでも決して諦めない姿勢が勝利の女神を振り向かせた。
試合後、坂井の目からは涙があふれ出た。同点弾を決めたヒーローも3人目のキッカーを務めたPK戦で痛恨のミス。そんな失意の背中に笠島から声が掛かった。「大丈夫だっ!」。その言葉を信じ、坂井は涙を拭いた。勝利の瞬間は「もう感情がコントロールできず、ずっと泣いてました」と振り返った。
いよいよ国立へ帰還する。中津東との開幕戦に快勝した最高の舞台だ。「開幕戦でも体が軽くなりテンションが上がりました。満員になると想像するだけで体が震えます」と坂井。2回戦が最高だった同校の歴史を塗り替え続ける小野貴裕監督(41)は「子供たちの勢いに僕も乗らせていただきたい」と笑った。どんな強敵相手にも粘り強く戦い、たどり着いた国立の舞台。ミラクルは終わらない。
《国立開幕戦白星→国立帰還は初》関東第一が初の準決勝進出。開会式直後に開幕戦1試合が行われるようになった99年度以降、開幕戦に勝利したチームの4強入りは08年度の鹿島学園(茨城)以来、13年ぶり2度目。ただし08年度の準決勝は埼玉開催。国立での開幕戦に勝利したチームが再び国立で戦うのは今回が初めて。