J2新潟 秋山弾が象徴 一瞬を探すためのボールを保持

2022年09月27日 04:00

サッカー

J2新潟 秋山弾が象徴 一瞬を探すためのボールを保持
決勝点となる今季初ゴールを決めた秋山(左) Photo By スポニチ
【元アルビ・梅山チェック 25日新潟1―0大宮】前半のボール保持率は69%。新潟にとっては見慣れた状況もサッカー的には異常ともいえる数字である。ただ、ここで素晴らしいのはチームとして“ボール保持を目的化してはいない”ところだ。
 戦術的に非常に整理された4―4―2のブロックを敷く大宮に対して、新潟は縦や斜めのパスでCBの前のスペースを突きに行った。また、その食いつきでできた背後のスペースに小見や谷口が飛び出したり、ただ保持するのではなく、果敢に攻める姿勢を持ちながらのその数字には価値がある。

 後半27分の秋山のゴールがまさにこの試合を象徴するシーンだったと言えるだろう。まずボールを奪った藤原がワンタッチで前線の鈴木につなぎ、そこから右サイドの進入をうかがうが、行く手に相手が集結したのを見ていったん最終ラインの千葉まで下げた。このことで相手の前線と最終ラインを少し縦に広げ、一連の流れの起点ともなった秋山が中盤でフリーになった。

 そこから伊藤―鈴木―三戸―堀米―鈴木――秋山と縦パスを入れては落とした。つまり6人が関係して集結→背後、集結→背後をバイタルエリアに向かって斜めに前進しながら2度ほど繰り返し、最終的に秋山が決めた。伊藤から鈴木に出される瞬間には三戸が動き出し、鈴木から三戸に渡る時には堀米が既に動き出しているので相手は付いてこられない。

 しかもこの一連のいわゆる3人目の動きが連続している間にも、最初に伊藤にパスをした秋山がそのまま止まらずにゴールに向かって動いていた。これらはブロックを破壊するのに十分な人数とスピードで、この連係とスピードを発揮する一瞬を探すためにボールを保持していることを証明するようなシーンだった。

 また、この試合で特に感じたのは、スタジアムの一体感。この日2万人を超えたサポーターも、新潟のプレーの目的と理解が一段と深まっている感じはまさにホームゲームだった。選手だけでなくサポーターも一体となって自信とエネルギーに満ちた状態。これが各カテゴリーで昇格する勢いのあるチームから感じる昇格機運というものだろう。

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