国見 天国の小嶺元監督に届けた13大会ぶり勝利 木藤監督「止まった時間を動かしたかった」
2022年12月30日 06:00
サッカー
試合後、木藤監督は少しだけ視線を上げ、「12年は干支(えと)が1周するくらい長い年月。いろんな方に“国見というチームが昔はあったな”と思われていたはず。止まった時間を動かしたかった」と胸を張る。スタンドには「古豪復活」の横断幕。ようやく時が動いた瞬間だった。
前半には“小嶺魂”が浸透した守備が光る。自陣付近で4本連続シュートを浴びながらDFが体を張ってブロック。今村は「シュートに対して下がらず、キーパーに触らせないでDFが全部守れと言われている」と説明。小嶺さんがつくり上げ、伝統として今も残る執念の守りが、全国の舞台でよみがえった。
継承と進化。小嶺さんの教え子である木藤監督は「新生国見」の一環として部員の丸刈りをやめ、携帯電話を解禁。後者は即効性があった。前半37分に均衡を破った利根(としね)悠理(3年)は海外サッカーのゴール集をスマートフォンで研究。ウルグアイ代表でリバプールFWヌニェスに憧れ「万能型で起点にもなれ、得点できる。自分も海外で活躍できる選手になりたい」と向上心を持ち、重い扉をこじ開けた。
苦しみながら、つかんだ特別な1勝。「小嶺先生からは“もっともっとやらんか”と怒られると思う。でも、次に進めるのでまた見てもらいたいです」と木藤監督。時代を融合させた名門が、新たな歴史を刻んでいく。(福井 亮太)
▽国見 1967年(昭42)に島原高から独立して創立。島原半島に位置し、雲仙・普賢岳と有明海に挟まれる。サッカー部も67年に創部され、故・小嶺忠敏監督の指導のもと選手権は戦後最多6度、高校総体5度、全日本ユース2度制覇。主なOBは元日本代表の大久保嘉人、永井秀樹、高木琢也、平山相太、三浦淳宏、徳永悠平ら。
おすすめテーマ
2022年12月30日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
世界がペレ氏を追悼 ネイマール、メッシ、C・ロナウド、エムバペ、本田圭佑が…
-
鎌田母校・東山 星稜撃破 日本代表の先輩と同じ背番15のFW豊嶋大暴れ2発
-
履正社4発 ネクスト三笘だ名願弾 鋭いドリブル突破も見せた川崎F内定18歳
-
国見 天国の小嶺元監督に届けた13大会ぶり勝利 木藤監督「止まった時間を動かしたかった」
-
ペレとマラドーナの“世界最高のサッカー選手”論争 天国で延長戦へ
-
ペレ氏 闘病続けながらW杯カタール大会でも発信「サッカーは魅力的に物語を語り続けている」
-
ペレ氏死去 世界で最も親しまれたニックネームも本人は「嫌いだった」
-
サッカーの王様ペレ氏が死去 82歳 大腸がんによる多臓器不全で
-
鹿島学園 エース林が千金ゴール 綺世の背番10背負い「目標は5得点」
-
前橋育英 夏冬連覇へ順調なスタート 1メートル58高足が同点弾
-
日体大柏 工藤さんにささぐ1勝 10月急逝の元日本代表、20年に練習参加
-
1メートル98の日大藤沢・森重 頭で2発 後半14分からCBに入った“二刀流”
-
尚志・網代 負傷も包帯を巻いて復帰し2得点「やってやろうと思っていた」
-
横浜FCのセットプレーコーチ兼アナリストにジェリー・ペイトン氏就任 元アーセナルGKコーチ
-
カタール1部アルラヤンが日本代表DF谷口の加入を発表 W杯で2試合フル出場
-
首位パリSGリーグ再開初戦白星 フランス代表エムバペ終了間際に決勝PK弾
-
セルティック・大然 リーグ再開後初得点でリーグ4点目 古橋は3戦連発