SNSの理想型…C大阪・上門がサポーターに捧げる復帰弾
2023年05月20日 21:31
サッカー
上門は特別な思いを胸に、この一戦に臨んでいた。5月7日の鹿島戦(ヨドコウ)でレッドカードをもらい一発退場。前節の京都戦(サンガS)は出場停止となっていた。
問題となったプレーは、決して故意ではないことは映像を見れば明らかだ。全力でやった結果だが、確かに危険なプレーだったこともまた事実。背番号7も猛省したが、やってしまったことは戻ってこない。「次の日まで落ち込んだ」と振り返るほど、精神的ダメージは大きかったが、救ったのはSNSのダイレクトメッセージ(DM)だった。
試合終了の直後から、次々と通知がくるスマートフォン。C大阪のサポーターからだった。
「笑ってない上門さんは見たくないよ!」
「必ず待ってるから」
例えばプロ野球界では、過去に中日・福敬登が被害届を提出し、今季開幕前には12球団、選手会などが注意を喚起する共同声明を出すほど、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷は深刻な社会問題となっている。上門も「それが怖かった」と打ち明けたが、そのようなDMは一つも来なかったという。「皆さん本当にあたたかいメッセージをくれましたし、これだけサポーターに愛されているんだなと感じました。サポーターたちのために、このチームで優勝したいという思いがまた強くなった」。心の底からの感謝を、ゴールという最高の結果でアウェーの地に駆けつけた桜色のサポーターに届けた。
どんなプロスポーツ選手も一人の人間。プロである以上、批判されることはあっても、誹謗中傷されるいわれはない。「セレッソののサポーターは素晴らしい人たちばっかりだなというのを改めて感じましたし、それがあったから今日がある」と、最後まで上門の口から感謝の言葉が途切れることはなかった。