神戸 GK前川が体を張って鹿島撃破 最短Vは「11・12」も、守護神「優勝に手がかかっているとは…」

2023年10月22日 06:00

サッカー

神戸 GK前川が体を張って鹿島撃破 最短Vは「11・12」も、守護神「優勝に手がかかっているとは…」
<神戸・鹿島>後半、ボールをキャッチする神戸・前川 Photo By スポニチ
 【明治安田生命J1第30節   神戸3ー1鹿島 ( 2023年10月21日    国立 )】 初優勝を狙う首位の神戸はMF佐々木大樹(24)の2得点とMF井出遥也(29)のJ1初得点で鹿島に3―1で快勝。3連勝で勝ち点61とした。GK前川黛也(29)は日本代表の練習で負傷した左手に痛みが残る中で強行出場。最少失点で勝利に貢献した。
 責任と覚悟が体を突き動かした。GK前川は前半13分、左から上がったクロスに迷わず飛び込んで両手でキャッチ。後半33分にはシュートを止めた後に相手に接触された。痛む左手は万全の状態に程遠い。「フィールドに立っている以上、言い訳はできない。恐怖心がないのは僕の良さなので」。攻撃の主役が2得点の佐々木なら、守備の主役は背番号1。最後列から3連勝を支えた。

 日本代表合宿に参加していた11日に左手小指を亜脱臼。12日に離脱した。17日の公開練習では左小指と薬指をテーピングで固定し、手を使わないトレーニングしかできなかった。前川は「この試合に出ると決めていた」と話したが、吉田監督は「まだ痛みは残っている」と明かした。全体練習に合流できたのは、試合2日前の19日から。先発出場は本人の直訴だったという。

 夫人やフードトレーナーのサポートで回復を促進する食事メニューを多く摂取。クラブのトレーナーとは密にコミュニケーションを取って治療に努めた。寝る時も気を使った。「ほぼ24時間、ケアに時間を割いた」。自信を持ってピッチに立った。同じく万全ではないFW武藤も強行出場でチームを支えた。

 主催試合のクラブ最多5万3444人で埋まった国立。20年元日の天皇杯でクラブ初タイトルを獲得した地で再び鹿島を粉砕し、リーグ初制覇へ前進した。最短Vは11月12日の浦和戦。「まだ優勝に手がかかっているとは思っていない。次もチャレンジャーの気持ちで」。今季全試合フル出場を続ける満身創痍(そうい)の守護神は言葉に力を込めた。 (飯間 健)

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