【アジア杯】山下良美審判員 女性の笛を当たり前に 大会初の女性主審が見るこれから

2024年02月01日 04:50

サッカー

【アジア杯】山下良美審判員 女性の笛を当たり前に 大会初の女性主審が見るこれから
ポーズを決める山下審判員(西海健太郎) Photo By スポニチ
 日本代表が参戦しているアジア杯カタール大会に、審判員として新たな一歩をしるした女性がいる。山下良美審判員(37)は1次リーグのオーストラリア―インド戦で同大会では史上初めて女性として主審を務めた。Jリーグやアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でも初の女性主審を務めたパイオニアは、何を思い、どこを目指しているのか。スポニチ本紙のインタビューに応じた。
 ピッチ内では毅然(きぜん)と試合を裁き、ピッチ外では笑顔にあふれる。山下審判員はアジア杯で初の女性審判としてピッチに立った。主審として笛を吹いたのは13日に行われた1次リーグB組のオーストラリア―インド戦だった。

 「ボールを持っていって、真ん中に置いて、左ポケットから笛を取るんです。でもその時に笛ではなくイエローカードを出しちゃって(笑い)。私、緊張しているなって」

 22年W杯でも女性初の審判員を務め、23年女子W杯では開幕戦で主審の大役を務めた。アジア杯も先駆者として参加しており、重圧は大きい。ただ心地の良いものだった。

 「プレッシャーを感じられる立場にいられることが凄く光栄。女性ということで注目されるのも、今のところはうれしく思っています。注目されることで女性審判員が増えていく可能性もある。もちろん、女性初とか女性審判員と言われなくてもいいほど当たり前になることを目指すことは大前提です」

 国際大会で試合を裁き続ける先に、何を見ているのか。「中学生の時に“欲がない”と怒られたほど先を見ないタイプ」というが、大きな観点で日本やアジアでの女子サッカーの地位向上を頭に描いている。

 「この機会は絶対に継続させたい気持ちは強く持っています。それこそアジアでは女性のFIFAレフェリーがいない、女性のリーグがない国もあります。もちろん日本としてもまだまだ審判員の数も少ないです。どんな形でも女子サッカーの発展に関わっていければうれしいです」

 いつか、女性審判が当たり前になるまで――全力で駆け続ける。

 ◇山下 良美(やました・よしみ)1986年(昭61)2月20日生まれ、東京都中野区出身の37歳。4歳でサッカーを始める。中野八中、都西高時代はバスケットボール部。東京学芸大から審判員の資格を取得。12年女子1級審判員となり、15年国際審判員登録。担当した主な国際大会は16、18年U―17女子W杯、19、23年女子W杯、21年東京五輪、22年W杯など。21年5月に女性で初めてJリーグで主審を務めた。

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