“怪物感ある”U-23・内野航太郎 完全アウェーも批判の声も黙らせた「“うるせえな”と思っていた」
2024年04月27日 03:00
サッカー
「FW陣が無得点だとか言われて“うるせえな”と思っていた。結果で黙らせてやろうと思ってピッチに入った。(細谷)真大くんと話していたわけじゃないけど結果的にパフォーマンスがかぶった。真大くんも思うところがあったと思う」。試合後、強気な言葉が口をつく。1次リーグではFW陣が無得点に終わり批判にさらされた。鬱憤(うっぷん)は一気に晴らしてみせた。
自室の壁には「セルフマネジメントシート」が貼り付けてある。筑波大サッカー部員が毎年1月、自身のなりたい姿と目標達成までの過程を詳細に記したものだ。内野航は「パリ五輪出場」「5大リーグからのオファー」「怪物感のある選手」と書き込んだ。同大OBの三笘薫も在学中「東京五輪出場」「2年後には欧州で10ゴール10アシスト」などと記入していた。内野航は憧れの先輩のシートも実際に目にし、指標にしてきた。
待望の得点は一見、ごっつぁんゴール。だが「あそこにいられるのが自分らしい」と胸を張った。左CKの流れからMF川崎がシュート体勢に入ると相手GKに視線を向けた。「足を振ろうとしていたので体の向きを変えた」。冷静な観察眼と嗅覚が生きた。五輪最終予選で10代の得点は中田英寿、市川大祐、井手口陽介以来4人目の快挙となった。
シートにも書き込んだ今夏最大の目標までマジック1。04年アテネ五輪の平山相太、徳永悠平以来となる大学生での五輪出場が現実味を帯びてきた。(滝本 雄大)
【なりたい自分を宣言】
▽セルフマネジメントシート 筑波大サッカー部の小井土正亮監督の発案により、部員全員がシーズン前の1月に「今年一年間、自分がどうありたいかを自ら宣言する」ことを目的に記している書。内野航は「なりたい自分」として「パリ五輪出場」「独力で点を取れる選手」と書き込み、一方で今の自分には「チームメートありきの得点が多い」と冷静に分析。プレー面では利き足とは逆の左足の精度を高めるために取り組む課題として「リフティング100回」と記した。シートは小井土監督の感想や助言も記されている。
◇内野 航太郎(うちの・こうたろう)2004年(平16)6月19日生まれ、横浜市出身の19歳。小学生時代に地元のSCHフットボールクラブでサッカーを始め、中学時代に横浜ジュニアユースに入団、ユース時代の22年にはトップチームに2種登録。23年度に筑波大に進学。日本代表はU―16世代から各年代で選出。1メートル85、79キロ。利き足は右。
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