存在感を示したU23高井 中3時は「板倉よりスケールが大きい」とセンターバックで10番

2024年08月04日 07:56

サッカー

存在感を示したU23高井 中3時は「板倉よりスケールが大きい」とセンターバックで10番
川崎FのUー15でセンターバックながらエース番号10を付けていた中学3年時の高井(C)KAWASAKI FRONTALE Photo By 提供写真
 【パリ五輪第8日 サッカー男子準々決勝   日本0―3スペイン ( 2024年8月2日    リヨン競技場 )】 優勝候補スペインを相手に終盤に力尽きて0―3の敗戦。U―23日本代表DF高井幸大(19)は「結局3失点してしまったところが勝敗を大きく分けた。もっともっと成長しないと」と訴えた。
 56年ぶりのメダルを目指した戦いは準々決勝で終わったが「ここに向けて本当に頑張ってきて素晴らしい大会だなと思ったし、自分の現状、立ち位置が分かった」と高井。6試合中5試合にフル出場したU―23アジア杯に続き、五輪本番も4試合中3試合で最後まで最終ラインを支えた。高さと速さを生かした守備に的確なビルドアップ、スペイン戦でも後半43分の右CKに頭を合わせてクロスバー直撃のシュートを放つなど存在感を示した。

 そんな高井の成長を所属する川崎Fの下部組織で見守ってきた長橋康弘U―18監督(49)は「本当に恵まれたものを持っていた」と当時を振り返る。

 U―15監督時代を含めて中学2年から高校3年まで指導。「大きいのによく動く。ボール扱いも上手。将来が楽しみで間違いなくトップに昇格させなければと思った」という。

 高校2年だった22年2月にクラブ史上最年少でプロ契約。DFでは板倉滉(現ボルシアMG)以来のトップ昇格だったが、のちの日本代表も指導していた長橋監督は「高井は(板倉より)もっとスケールの大きな選手に見えていた」と明かす。

 中学3年時には攻撃の中心選手に与えることが多いエース番号を、センターバックの高井に付与。「あのポジションで10番は後にも先にも彼だけ。“引っ張ってもらわないと困る。チームの勝敗が懸かっている”と伝えた」。高校3年時は主将に指名。トップチームで練習し、試合の時だけU―18に合流する難しい二重生活の環境下で「ゲーム状況を見てチームとしてどういうプレー選択をしなければならないか」と頭を使わせ、プレーの幅を広げるために負荷を掛け続けた。既成の枠組にとらわれない育成が高井の成長につながった。

 この日、2得点したスペインのMFフェルミン・ロペスやセンターバックでコンビを組んだエリク・ガルシアと17歳のクバルシはいずれもバルセロナに所属。高井はスペイン選手の所属に触れて「強豪で出ている選手もたくさんいた。自分たちもそうなっていかないと」と語った。将来的な海外移籍も視野に英語学習にも取り組む大器。悔しさを味わったパリ五輪をさらなる飛躍への踏み台にする。

 ○…小学生時代から高井を知るJ3福島のDF松長根悠仁(19)は凄さの1つにタフなメンタルを挙げる。「ミスしても動じない。いい意味で気にしない。ふてぶてしさみたいな。次のプレーに引きずらないのは昔から感じていました」。今季、福島に期限付き移籍するまで小学5年から川崎Fの下部組織で同期。長く高井と苦楽をともにしてきたが、マイペースで動じない男は弱音を吐くことも少なく、トップチームとU―18の二重生活で負担が大きかった時期でさえ「休みがなくて結構きつい」という声を一度聞いたことがあるだけだった。そんな姿に「高井が活躍していたら、もっと頑張らないと」と刺激を受けてきたという。

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