荒れ荒れ阪神&オリックスVパレード 御堂筋観客入れ替えなしでトラブル続出

2023年11月24日 05:30

社会

 大阪、兵庫の両府県でプロ野球阪神、オリックスの優勝パレードに延べ約100万人が集まり、関西が祝福に包まれる中、大阪・御堂筋の沿道では観覧場所を巡るトラブルが続発した。
 パレードはオリックスが午前11時、阪神が午後2時にそれぞれ実施。オリックスの選手をねぎらうために午前に駆けつけた20代大学生は周囲を見渡し「縦じまのファンの方が多い」と仏頂面。午前9時前に八尾市から友人と駆けつけたオリックスファンの女性会社員(31)は「最前列のいい場所を阪神ファンの人たちに占領されてました」と不満をこぼした。

 それというのも、神戸会場で行われた午前と午後の観衆の入れ替えが、大阪会場では行われなかったため。午後の阪神のパレードに備え、虎党も早朝から場所取りに参戦。一部オリ党から“ブーイング”が飛んだ格好だ。

 ただ、徹夜で前方の席を確保した虎党にも予期せぬ事態が待っていた。前日22日の午後9時半ごろから場所取りをしていた尼崎市の40代男性によると、一夜明けたこの日朝、トイレのために観覧エリアを離れて戻ってきたところ、警備員から「再入場できません」と言われたという。押し問答の末に元の位置に戻れたが「トイレに行きたくても席を外せなかった。入場可能エリアの指定などが必要だったのでは」と疲労感をにじませた。他にも会場整理のスタッフと観衆が言い争う場面が見られ、大阪府市などで構成された実行委員会の運営に苦言が相次いだ。

 運営を巡っては、開催費用約5億円の確保のためクラウドファンディング(CF)が行われたが、多くは企業などの協賛金でまかなった。これについて吉村洋文知事は「(CFは)1万人以上の方に約1億円の寄付をいただいた。結果として府費を投入することなくこの日を迎えられ、大成功」と胸を張った。

 警備に府市職員のボランティアを募り、疑問の声が出ていることについては「趣旨に賛同する人が手を挙げてくれている」と反論。「皆さんが喜んでいただける場を共有できてよかった。大阪・関西の元気につながれば良い」と強弁。お祝いムードに水を差す結果になってしまった。

 ≪パレード副題で25年万博のPR作戦も空振り≫パレードの副題に「2025年大阪・関西万博500日前」と付けたことにも「政治利用」と批判が噴出していた。この日も沿道から「万博の文字を入れる必要はない。せっかくの優勝パレードなんだからいい気はしない」(阪神ファンの46歳男性会社員)との声が上がった。一方で、多くの人は「万博関連の副題が入っていることを知らなかった」と回答。関心の薄さも浮き彫りになった。1年半後の開催へ、機運を醸成したい吉村知事のPR作戦は空振り。同知事がこの日、「万博」の文字を口にすることはなかった。

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