岐南町長 涙で辞意 セクハラ認定99件 不適切にもほどがある74歳 即時辞職“拒否”から一転
2024年02月29日 04:40
社会
第三者委員会が27日に公表し、女性職員らの頭や尻を触るなどの行為を認定する報告書については「真摯(しんし)に受け止めている」とした一方で「中立性に欠けている。最初からセクハラありきだ」と強く批判した。
99件のうち、頭を触った行為は「感謝とねぎらいのつもりで頑張った子の頭を撫でていた」と説明。こちらは「時代錯誤だった」「セクハラだと思います」と認めたが、女性職員に抱きつくなどした行為と、「懲戒」や「クビ」などの言葉によるどう喝行為は「していない」と否定した。
一方で記者から「家族や友人から言葉をかけられたか」と問われると涙を流した。下を向き「兄から“何やってんだお前は!”と凄く怒られました」としょんぼり。「大々的に報道されると心が折れます」と力なく答えたが、それでも気丈に「全部は私の責任だから、立つ鳥跡を濁さずで、やってまいります」と話した。その後、気を落ち着かせるためか、会見場を出る場面も見られた。
この日、副町長らが第三者委から「即時に辞職以外の選択肢はない」と意見を受けて直ちに辞めるよう進言したが、小島氏は拒否。会見では24年度予算審議などを見届け、5月末までに辞める意向を示していた。だがその直後に前言を撤回。即時辞任の意向を記者団に示した。関係者によると、町議会で不信任決議案を出す動きがあり、その様子を聞き、辞意を示したという。
≪怪文書は否定≫報告書には、第三者委員会設立直後に、情報提供者を脅迫をするような怪文書が配布されたとの記述があり、これに対して小島氏は「自分で書いておりません」と強く否定した。小島氏は当初、怪文書を町民による行為と認識していた。しかし「岐南町の選挙は厳しく、人をおとしめたりする人がいる」と感じ、町職員内の犯行ではないかと推察。「この年になっていろいろ勉強させられました」と目を赤らめながら、説明した。
◆セクハラ騒動の経緯
▼2020年10月 小島氏が町長選で初当選を果たす
▼11月 就任早々の時期にセクハラの相談が町に寄せられ、当時の副町長が注意
▼23年5月 週刊文春電子版が町長のセクハラを報道。記者会見で「セクハラという認識はなかった」と釈明
▼6月 第三者委員会でセクハラが認定されれば辞職する意向を示す
▼24年2月27日 第三者委員会が99件のセクハラ行為を認定する調査報告書を町に提出
▼28日 記者会見で即時の辞職を否定するも、一転してきょう29日に辞職願を提出する方針に
▽岐南町 岐阜県南部の羽島郡に位置し、なだらかな平たん地が広がる町。愛知県と隣接しており、名古屋市へは南へ約30キロで、人口は2万6256人(2月1日現在)。面積は7.91平方キロメートル。甘みが強い「徳田ねぎ」が名産で、町のマスコットキャラクター「ねぎっちょ」のモチーフにもなっている。