「紅こうじ」被害者ほぼ全員に“ファンコニー症候群” 日本腎臓学会が調査

2024年04月06日 04:35

社会

 小林製薬(大阪市)の紅こうじ成分を使ったサプリメント服用後の健康被害が相次いで報告された問題で、日本腎臓学会の調査で、サプリの成分が腎臓に集積し「尿細管」が傷つき体に必要な成分が再吸収できなくなる「ファンコニー症候群」がほぼ全員に起こっていたことが判明した。服用後に腎疾患が出た47人の症例を分析。中間報告では46人が同症候群だった。
 腎臓に入った血液は、毛細血管の集まった「糸球体」で老廃物などをろ過し、尿細管で必要な成分を再吸収。同学会の猪阪善隆副理事長は尿細管について「薬の排せつにも働き、薬剤が集積し障害が起こりやすい」と説明。

 同症候群ではカリウムやリン、ナトリウムなどが再吸収されず尿に漏出。体内のミネラルバランスが崩れ、倦怠(けんたい)感などの症状が起きる。

 進行すると、腎不全を起こし人工透析が必要になることもある。進行防止には早期の服用中止が重要。専門家は「気になる人は血液検査を受けてほしい」と呼びかけている。

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