静岡で39・3度 梅雨明け前なのに列島猛暑 東京でも35度 今夏は「形容しがたい暑さに」

2024年07月05日 04:45

社会

静岡で39・3度 梅雨明け前なのに列島猛暑 東京でも35度 今夏は「形容しがたい暑さに」
厳しい暑さとなった東京・銀座で、ミストシャワーで涼む人たち。東京都心で今年初めての猛暑日となった Photo By 共同
 日本列島は4日、太平洋側を中心に高気圧に覆われた影響で、気温が上昇した。午前中に最高気温35度以上の猛暑日に達した地点も相次いだ。
 特に暑かったのが静岡市。太平洋側を覆った高気圧と、山を越えた風が熱風となって吹き下りるフェーン現象が加わった。同市駿河区は午前中に35度を超え、午後1時台には全国で最も高い39・3度を観測。この地点では、約29年ぶりに観測史上最高を更新した。

 埼玉県熊谷市など暑さ記録の“常連”と言える内陸部ではなく、海沿いに位置する駿河区を襲った猛暑。「まだ梅雨も明けていないのに」。うだるような暑さに市民からは戸惑う声が上がった。80代男性は、午前で農作業を切り上げたといい「もう危険だからやめたよ」とため息をついた。気象庁によると、39・3度は今年の全国最高気温。

 最高気温30度以上の真夏日の地点は北海道から九州、沖縄の広範囲にまたがった。東京都心でも35・0度と今年初めての猛暑日となり、東京消防庁は、都内で19~100歳の男女47人(午後3時現在)が熱中症の疑いで救急搬送されたと発表した。

 今夏は一体どうなるのか。気象予報士の森田正光さんは「史上最も暑い夏と言われた昨年を超える“形容しがたい暑さ”になる」と予測した。昨年は各地で記録的な暑さとなり、東京でも35度以上の猛暑日が22日、30度以上の真夏日が90日と過去最多。6~8月の世界平均気温も観測史上最も高くなった。

 その昨夏を超える暑さになりそうな原因の一つは、エルニーニョ現象とラニーニャ現象の重なり。南米ペルー沖の海面水温が上がるエルニーニョ現象は、昨年の暑さを引き起こし今春に終息したとみられている。一方、今夏は逆に海面水温が低くなるラニーニャ現象の発生可能性が高いとみられている。森田さんは「夏にエルニーニョからラニーニャになった年は大体暑い」と指摘。ほかにも、インド洋の海水温の高さ、地球全体の温暖化の影響を挙げ「地球全体の気温が上がっているので0・5度“下駄を履いている”状態」とした。

 これまでの都心の観測史上最高は39・5度(2004年)。森田さんは「今年は都心で40度ということもあるかもしれない。40度にならなくても、30度台後半が長期間続くことに注意して」と呼びかけた。

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