通園バス置き去り死 前園長に実刑判決 禁固1年4月「厳しい非難は免れない」

2024年07月05日 04:40

社会

通園バス置き去り死 前園長に実刑判決 禁固1年4月「厳しい非難は免れない」
2022年9月、自宅で笑顔を見せる河本千奈ちゃん(両親提供) Photo By 共同
 静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、園児の河本千奈ちゃん=当時(3)=を通園バスに放置し熱中症で死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた前園長増田立義被告(74)に静岡地裁は4日、「安全管理の意識の欠如が甚だしく、厳しい非難は免れない」として禁錮1年4月(求刑禁錮2年6月)の判決を言い渡した。
 国井恒志裁判長は判決理由で増田被告が安全管理のマニュアル策定など注意義務を怠ったと指摘。「過失は著しい。わずか3歳11カ月で未来を奪われた。苦しみは想像を絶する」と述べた。

 説諭では「千奈ちゃんが生きた意味を考えたい。(事件の)教訓となるためではなく、お父さん、お母さんを幸せにするために生まれてきた」「千奈ちゃんは子供の命を守る大切さを教えてくれた」などと言葉を詰まらせる場面もあった。同罪に問われた元クラス担任西原亜子被告(48)は禁錮1年、執行猶予3年(求刑禁錮1年)とした。

 ≪犠牲園児の父「ホッと」≫亡くなった千奈ちゃんの父親(40)は閉廷後に記者会見し「実刑という言葉を聞き、ホッとした」と心境を明かした。前園長と元クラス担任の公判に被害者参加制度を利用して出廷を重ねていた。この日も静岡地裁の法廷へ。前園長を実刑とした判決に、涙ぐむ妻と手を握り合った。前園長に対しては「控訴せずに判決を受け取ってほしい」と強調した。

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