石破カラー消して自滅の道 「党髙政低」首相が後退姿勢…裏金議員原則後任へ 「理解できない」75・6%

2024年10月05日 04:40

社会

石破カラー消して自滅の道 「党髙政低」首相が後退姿勢…裏金議員原則後任へ 「理解できない」75・6%
衆院本会議で就任後初めての所信表明演説をする石破首相 Photo By 共同
 衆院解散が9日に迫る中、裏金議員の公認問題を協議してきた自民党は4日、都道府県連の意向に沿った原則公認案の検討に入った。石破茂首相(党総裁)は官邸で記者団に「何も決まっていない」と述べた。近く幹部と協議し最終判断する。
 総裁選で狙ったリセットどころか再燃している裏金問題。首相がこの日、衆参両院本会議で行った就任後初の所信表明演説には、野党から激しいヤジが浴びせられた。「深い反省」と言えば「じゃあなぜ、裏金議員を公認するんだ!」と突っ込まれ、「私はルールを守る」と触れると「うそつき!」。ヤジがヤジにかき消され、議場は大荒れとなった。

 原則公認案を巡り、最大勢力の旧安倍派議員らによる倒閣運動を懸念したとも言われているが、首相は執行部による同派議員への聴取を調整。結果次第で一部を公認から除外する余地を残す。比例代表との重複立候補を認めない案や、認めた場合も比例代表の順位に差をつける案なども取り沙汰されている。

 衆院の裏金議員は51人。不出馬を表明したり、党員資格停止1年の処分を受けるなどした6人を除き、最大で45人が公認されそうだ。ベテラン議員は、新たな候補擁立は不可能だとし「全員非公認にすれば、その時点で過半数割れが確定的になる」と現実を見た。

 首相は総裁選出馬表明時に「徹底議論」と非公認の可能性に言及。しかし、首相就任会見では「選挙区での支持」を公認基準に挙げるなどトーンダウンさせていた。

 一方、自民、立憲民主両党は9日の党首討論を通例の45分間から延長して開催することで合意。自民は1時間とする案を検討。首相が唱えていた予算委員会開催はやはり見送られる見通しとなった。

 共同通信社が内閣発足を受け1、2両日に行った世論調査で、内閣支持率は50・7%。政府関係者が「これは本当に困った」とうなるほど、ご祝儀には程遠い数字。首相の後退姿勢が招いた結果だ。

 主導権を官邸ではなく党が握る「党高政低」の政権運営で相次ぎ後退。首相も自覚しており、指名後の各会派あいさつ回りで、安保政策で親交がある前原誠司衆院議員から「石破カラーを出して頑張って」と激励を受けた際、「出したら、ぶっ叩かれるでしょ」と本音をこぼしていた。

 党選対関係者は「党主導により、国民が期待した石破カラーがなくなり、衆院選に向け逆効果」と指摘。重複立候補に関しては「裏金議員の復活当選に手を貸すことになるとして、比例票の低減が懸念される」と話した。

 世論調査では裏金議員公認を「理解できない」が75・6%、予算委開催すべきとの回答は72・7%。永田町では自民党が「自滅」の道を歩み始めているとの声が聞かれ始めた。

 ≪非公認なら比例代表で重複立候補×≫
 党公認と非公認で無所属となった場合の最大の違いは、比例代表で重複立候補ができるかどうかとなる。非公認は復活当選の道がなく、小選挙区での勝利しかない。

 選挙活動にも影響し、党から公認料という形で活動資金が提供されたり、候補者が1人7万枚まで配布できるビラは公認候補ならば政党分4万枚を上乗せできる。はがきや選挙カーも候補者個人分に加え、政党割り当て分が利用できる。公認候補は政党の政見放送で政策を訴えることができるが、無所属では政見放送に出演できず、経歴が読み上げられる「経歴放送」に限られる。

 ≪官邸サイトで記念写真修正≫1日の内閣発足後に首相官邸で撮影された閣僚の記念写真で、首相のモーニングのパンツがずれて腹部から白いシャツが見えていた件で、首相官邸の公式サイトに掲載されている写真では問題の箇所が修正されていることが4日、分かった。首相官邸は修正した理由について「担当者が不在で、詳細は分からない」と話した。当初の写真では首相のパンツにはシワもあり、SNSでは“だらし内閣”などとやゆされていた。

おすすめテーマ

社会の2024年10月05日のニュース

【楽天】オススメアイテム