男子マラソンに今必要なのは「安藤スピリット」ではないか
2017年03月30日 10:00
マラソン
23歳の安藤は実際にそれをやってのけたのだ。もちろん、初マラソンで怖さを知らないがゆえの快走だったのは確かだが、同じことが男子選手にできないはずはない。「安藤スピリット」で首尾よく後半まで先頭集団内で粘れれば、その時こそ川内や中本の豊富な経験が生きるはずだ。無責任な言い方かもしれないが、それで後半つぶれたらつぶれたで仕方がない。最初からメダル争いに参加しないまま終わるよりよっぽどましだろう。
先頭集団に食らいつくために走力アップは欠かせないが、他にもできることはたくさんある。リオデジャネイロ五輪の際に有森裕子さんが指摘していたが、集団内での位置取りや給水の取り方、カーブの曲がり方などをちょっと工夫するだけでも十分効果がある。ほんの数秒、数メートルの短縮でも42・195キロになると大きな差になるのだ。日本には有森さんや高橋尚子さん、野口みずきさん、そして男子にもかつて世界を制した名選手がたくさんいる。技術論でも精神論でもなく、世界と戦った選手にしか分からない経験や知識を具体的に今の選手に伝えてあげることは大きな意味があると思う。ナショナルチーム合宿でやるべきことはまさにこの「財産分与」ではないかと思うのだが…。(編集委員)
◆藤山 健二(ふじやま・けんじ)1960年、埼玉県生まれ。早大卒。スポーツ記者歴34年。五輪取材は夏冬合わせて7度、世界陸上やゴルフのマスターズ、全英オープンなど、ほとんどの競技を網羅。ミステリー大好きで、趣味が高じて「富士山の身代金」(95年刊)など自分で執筆も。
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