神鋼18季ぶり日本一、一丸で圧倒 平尾さんにささげた
2018年12月16日 05:30
ラグビー
![神鋼18季ぶり日本一、一丸で圧倒 平尾さんにささげた](/sports/news/2018/12/16/jpeg/20181215s00044000427000p_view.jpg)
「サントリーどうこうでなく、自分たちのラグビーができたことで、あの点差になったのだと思います」
前主将のフランカー橋本大は50点差の大勝を振り返った。FWとバックスが一体の波状攻撃の連続。15―5の前半37分はフッカー有田が、敵陣22メートル付近で体重104キロと思えぬ素早さでチャージを決めてそのままトライ。風上の後半は、2連覇中の王者にトライすら許さなかった。ヒーローを探すのが難しいほど、メンバー一丸で攻め続けた。
毎年期待されながら14年間無冠の名門が変わった。その要因を、橋本大は「目先の結果を追い求めたのではなく、チームの歴史を求めることに重点を置いたからだと思う」と説明する。世界的名将のスミス総監督が今季就任。1928年創部のラグビー部や、会社を知ることからシーズンが始まった。
製鉄所を訪れ、従業員や船のエンジンの基幹部分となる製品に触れた。スター選手のSOカーターも防護コートを着て工場内を歩いた。一見、青臭く映る“レガシー活動”の狙いは「誰のためにラグビーをするか」を確認するため。プロが大半になり、外国人選手の数も増えた今、「会社のためという一本のシンが通った」と効果は絶大だった。
スミス氏は1年で15週間のみの滞在だった。現場を預かった元教師のディロンヘッドコーチが首脳陣、選手を束ねた。決勝トーナメントが始める前、製鉄所で働く社員の作業服をグランドにかけさせた。V7戦士のフッカー弘津英司さんのものだった。「きついことから逃げない。率先してきついことをする人」という「スティールワーカー」の意味をかみしめ、メンバーは最後まで戦い続けた。
一丸の精神は、如実に表れた。決勝で2トライのFB山中は、故障で準決勝をスタンドから見守っていた。勝利後、ベテランWTB大橋らが涙を流す姿を見て、心が震えた。
「メンバー外は複雑な気持ちの人が多いもの。泣いている人を見て、本当にチームが変わったと思った」
88年度のV1は、年が明けた89年1月10日、つまり平成元年になって優勝したものだった。欠けていた結束力でつかんだ今回の頂点で、平成最後の日本一になった。「新しい歴史をつくるために戦ってきた。あとは後輩につなげられたら」と橋本大。元号が変わっても、赤いジャージーは栄光を追い求める。
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