【砂村光信 視点】神鋼復活V 勝敗分けた世界レベルの「基本プレー」

2018年12月16日 09:17

ラグビー

【砂村光信 視点】神鋼復活V 勝敗分けた世界レベルの「基本プレー」
<神戸製鋼・サントリー>平尾誠二さんの遺影を持ち秩父宮賜杯を掲げる前川を中心に喜ぶ神戸製鋼の選手たち(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビートップリーグ決勝トーナメント兼日本選手権決勝   神戸製鋼55―5サントリー ( 2018年12月15日    秩父宮 )】 神戸製鋼FWの前へ出る力が試合の流れを決めた。中島を筆頭に大きな選手たちが頭を低くして突っ込み、守備ラインを後退させていた。オフロード(タックルされながら出すパス)などFW同士のパスも巧みで全員が左右へパスを出せるため相手はディフェンスの的を絞りづらい。どこからでもつなぐ伝統のスタイルを思わせた。
 SOカーターはFWが前へ出た時は1、2歩走って攻撃ラインのスピードを上げ、FWが止められた時には深めのパスでCTBにプレーする余裕を持たせていた。スーパースターだがプレーはひたすら基本に忠実で、キックもパスも精度が高くミスが少ない。SHのパスが乱れても修正してCTBに最高のパスを出せる選手だ。

 スミス総監督はチームの課題とされたSOとフッカーを補強。方向性がバラバラだった選手たちに「基本プレー」という規律を1つだけ与え、才能を集約してみせた。チームのプレー自体もシンプルだが、要求するレベルはカーターら世界を代表する選手らに求めるような高さ。基本の差が決勝の点差に表れたように思う。(元U―23日本代表監督)

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