静岡聖光学院 後半猛攻3トライ!「しびれる」逆転初戦突破だ
2018年12月29日 10:55
ラグビー
佐々木陽平監督(41)ですら驚きを隠せないようだった。
「しびれました」。試合後の第一声に実感がこもる。3年ぶり5度目の全国。新調したジャージーと同様に、静岡聖光フィフティーンが新風を吹き込んだ。
後半9分、モールからの水野のトライ、CTB大西馨汰(2年)のゴールで11―10と逆転。同15分には中央22メートルライン付近で反則を誘うと、PGで確実に点差を広げる戦術ではなくタッチキックから再びFW戦でのトライを狙った。直後のプレーはトライに結びつかなかったが、続く展開から同19分に水野がトライ。SO高成田光主将(3年)、ゲーム主将のCTB小林大悟副将(同)を中心に選手の判断が実った。
同21分に16―17とされたが、6分後に三度モールを軸にトライで突き放した。相手の防御の的を絞らせなかったモールは、ツイッターの埼玉県大会決勝の映像を見たFW陣が昌平のプレーを参考に導入。前日27日の練習での試運転を経て、大きな得点源となった。
「コミュニケーションをうまく取って押すことができました」と水野。小林も「後半はエリア(陣地)を取ってプレーできました」。県大会同様にハーフタイムに監督からの指示はなし。主体性を尊重する采配に応え、教え子の成長に監督は目を細めた。
2回戦の会場はメイングラウンド。憧れのピッチでも「らしさ」を発揮し、学校創立50周年に彩りを加える。(小久保 克治)
<FB望月琉夏がチーム初得点> ○…FB望月琉夏がチーム初得点を挙げた。前半19分、ボール奪取を起点に小林の好走を生かし左中間にトライ。「いつものプレーができました。県大会決勝(の動き)が不本意だったので、その分もと思ってました」と声を弾ませた。自宅から学校まで自転車で約1時間。より効率的に文武両道をと2年時から同30分の所に住まいを移した。双子の弟のWTB波琉も防御で存在感を発揮。2回戦でも家族のサポートに応える活躍を期した。
<OBも祝福「みんなよくやった」> ○…スタンドには関学大プロップ伊豆川洋輔(4年)、立命大フランカー尾藤大毅(3年)ら花園出場経験を持つOBも駆けつけた。尾藤はSOで先発した弟を「もっと思い切ったプレーを」と叱咤(しった)しながらも「みんなよくやったと思います」と祝福。自身が果たせなかったシード校撃破を期待した。
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