大坂、全豪初V&GS連覇 ついに日本勢初の世界1位!
2019年01月27日 05:30
テニス
粘り勝った。第1セットはお互いに譲らずタイブレークに突入。1―0から強烈なバックハンドでリターンエースを決めるなど2度の“ミニブレーク”に成功して7―2でものにした。第2セットは第9ゲームで3度のマッチポイントを逃した末に逆転で落としたが、第3セットは持ち直して第3ゲームをブレーク。ツアー大会で第1セットを先取した試合は60連勝となった。
対応力が光った。相手は身長1メートル82のサウスポー。立ち上がりは速いサーブに苦しんだが、第1セット途中でリターンの際の立ち位置を修正した。わずかに前に出ることで、左利き独特の外に逃げるボールに対応。変化が小さいうちに前で叩く狙いが奏功した。練習やミーティングでサーシャ・バイン・コーチから答えを与えられることはない。ヒントや選択肢を提供されて最後は自分で決断する。日常から考える力を養ってきた成果が、大一番で結実した。
全米では対戦がなかった世界ランク1桁選手を準決勝、決勝で連破。男女を通じて日本勢初の世界ランク1位も確定した。4大大会で初優勝からの連覇は、68年のオープン化以降では01年のカプリアティ以来史上6人目の快挙。初優勝と関係のない連覇に限っても14年全米から15年ウィンブルドンまで4連覇したS・ウィリアムズ以来だ。「全仏で優勝したい。次の目標はそこ」。目標は全ての4大大会で優勝する生涯グランドスラム。全仏、ウィンブルドンではクレーや芝への適応が必要になる。
開幕前に自称3歳だった精神年齢は準決勝進出後に「4歳」に成長。優勝後の会見では「毎日1歳ずつ成長している。だから5歳ね。まだまだどうしようもないわ」と笑った。成長速度、伸びしろは計り知れない。1万5000人の満員観衆の前でスポットライトを浴びる姿が“なおみ時代”の幕開けを予感させた。
《4大大会初制覇から連続V》女子シングルスでは大坂が史上6人目。1971年の全仏→ウィンブルドンを制したイボンヌ・グーラゴング(オーストラリア)が最初。以下、クリス・エバート(米国)、ハナ・マンドリコワ(チェコスロバキア)、ビーナス・ウィリアムズ、ジェニファー・カプリアティ(ともに米国)と、4大大会3勝以上の名選手が並ぶ。なお、3大会連続Vは誰も達成していない。
▽テニスの世界ランキング 1年間の成績をコンピューターで集計し、毎週発表される。男子が1973年、女子は75年から導入された。女子は最大16大会の結果を反映する。大会の格付けによりポイントが異なり、4大大会の優勝は最大の2000点が得られる。大坂なおみも昨季出場した上位者だけで争うWTAファイナルは特別に17大会目として得点が加算される。従来の日本勢最高位は、男子は錦織圭、女子は伊達公子の4位、アジア勢の最高は女子の李娜(中国)の2位だった。現在の制度前は識者が順位を付け、33年に男子の佐藤次郎が3位を記録した。
【大坂 なおみ(おおさか・なおみ)】
☆生年月日 1997年10月16日生まれ、大阪府出身。実年齢21歳だが、精神年齢は自称4歳児。ハイチ系米国人の父と北海道生まれの日本人の母を持ち、3歳で米国に移住した。
☆テニス歴 99年全仏女子ダブルスでウィリアムズ姉妹の優勝を見た父・フランソワさんの影響で、1歳上の姉まりとともに3歳からテニスを始める。父の指導の下、公営コートで練習を積んだ。プロツアー出場資格を得られる14歳になった11年10月にデビュー。ジュニア大会には出場せず、ツアー下部大会に出場した。13年9月にプロ転向。
☆タイトル 18年3月に米カリフォルニア州インディアンウェルズで開催されたBNPパリバ・オープンでツアー初優勝。同8月の全米で日本人で初めて4大大会シングルスを制した。
☆趣味 ゲーム。ホテルでの退屈しのぎにプレステを遠征に持参。eスポーツのプロリーグを現地で観戦したこともある。音楽は洋楽、Jポップ、Kポップ、アニソンなど幅広くカバー。試合前は音楽を聴いて集中力を高める。
☆好きな食べ物 カツ丼、寿司、抹茶アイス。
☆契約 所属先は日清食品。ラケットはヨネックス、ウエアとシューズはアディダス。資生堂、シチズン、日産、全日空ともスポンサー契約。昨年は日清食品のカップヌードルのCMで「大坂半端ないって〜」が話題に。
☆サイズ 1メートル80、69キロ。右利き。
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