平野美宇 五輪への覚悟表す「アイドル断ち」 我慢の先にある“新ハリケーン”楽しみ
2019年02月10日 09:15
卓球
18月4月にエリートアカデミーを前倒しで修了してプロ生活をスタートさせた。練習環境は東京都北区のナショナルトレーニングセンターを拠点にしている。生活環境を変えることで心機一転とばかりに強くなる選手もいれば、新しい環境へ適応するにの時間がかかる選手もいる。平野は後者だというのが、女子日本代表の馬場美香監督だ。
「彼女はじっくり時間をかけて卓球を覚えるタイプだと思います。ただ、技術を身に付けてしまえば忘れない。力に変えることができる選手」なのだという。昨年の中ごろからは集中的に練習が行えるようになったことからも、馬場監督は「頑張っていてもすぐに結果に表れないが、爆発的な力を発揮することができる選手。力を身に付けるための我慢の時期と捉えています」と冷静に分析している。
16年1月、エリートアカデミーの中沢鋭コーチから中国人のような高速卓球を伝授されて全日本選手権で準優勝。その勢いは伊藤美誠に「美宇ちゃんは中国人選手みたい」とまで言わしめたプレーは衝撃的だった。
優勝には届かなかったが、そこから1年間、じっくりとその卓球を習得。17年1月には全日本選手権を最年少で制覇。同年のアジア選手権では中国人選手を倒して日本勢として21年ぶりのアジア制覇。「ハリケーンヒラノ」と異名を付けられるほどになったことを見ても、馬場監督のいう通り“時間がかかる選手”なのだろう。
卓球界の浮き沈みは激しい。平野の高速卓球は研究され、国内外で簡単には勝てなくなった。ただ「とにかく練習は裏切らない。毎日練習すること」というように今は一皮むけようと試行錯誤の最中だという。五輪代表は来年1月の世界ランクで決定する。時間はたっぷりあるわけではないが、難産の末に生み出された「新ハリケーンヒラノ」を見てみたい人は多いと思う。
前回リオデジャネイロ五輪はサポートメンバーとしてチームに帯同した悔しさを晴らすため18歳の若者が勝負のシーズンを迎える。「19年は卓球人生の大事な一年。笑顔で締めくくるために、五輪を目指して頑張りたい」と意気込む。まずは3月のカタールオープン。4月の世界選手権(ブダペスト)で早速「アイドル断ち」効果が試される。
アスリートを取材するたび、目標達成のために犠牲を厭わない精神に感服している。それを自分に置き換えて発奮!できればいいのだが、私はと言えば、酒断ちすることで血液の数値が向上するくらいしか「断ちもの」効果は期待できません。(記者コラム・河西 崇)
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