大橋 3連覇で代表1号も悔し涙「納得全然していない」

2019年04月04日 05:30

競泳

大橋 3連覇で代表1号も悔し涙「納得全然していない」
<水泳日本選手権第2日 女子200メートル個人メドレー決勝>泳ぎ終えた大橋(左)は大本(右)と健闘を称え合う(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【競泳日本選手権第2日 ( 2019年4月3日    東京辰巳国際水泳場 )】 世界選手権(7月、韓国・光州)の代表選考会を兼ねて行われ、女子200メートル個人メドレーでは大橋悠依(23=イトマン東進)が2分9秒27で3連覇し、2位の大本里佳(21=イトマン)とともに派遣標準記録を突破して代表入りを決めた。男子100メートル平泳ぎは小関也朱篤(27=ミキハウス)が6連覇。女子100メートルバタフライは牧野紘子(19=東京ドーム)が制した。
 3連覇にも、大橋の目には悔し涙がにじんだ。自己ベスト更新を狙ったが、結果は自身の持つ日本記録より1秒36も遅い2分9秒27。世界選手権出場を一番乗りで決めたが「納得は全然していない。ブレスト(平泳ぎ)で少し焦りがあった」と何度も首をひねった。
 最初のバタフライで先頭に立ち、続く背泳ぎでリードを広げたが3泳法目の平泳ぎで歯車が狂った。テンポアップを意識しすぎ、予選18、準決勝19だったストローク数が21に増加。持ち味の大きな泳ぎを見失い「腕の力を使い過ぎた。自由形で自分が死んでいるのが分かった」と最後の自由形で失速した。

 14年に大学の食堂で左膝を強打して膝蓋(しつがい)骨脱臼の重傷を負った。その後は左右のバランスが崩れ、背泳ぎとクロールで体が傾く癖がある。さらなるレベルアップに向けて修正に着手。理学療法士の助言を聞き、左右のバランスを細部までチェックした。足裏は右に比べて左がへん平足気味で指の力が弱いため、指でタオルをつかむトレーニングを導入。家では真冬でもはだしで過ごし足先の感覚を研ぎ澄ませた。「まだ左足がうまく使えないので真っすぐになったから速くなるとは限らない。ただ、もう1段階上がるには傾いたままではダメ」。試行錯誤を続ける中、最低限の結果は出した。

 17年世界選手権の銀メダルでブレークし、昨夏のパンパシフィック選手権で2冠、アジア大会でも3つのメダルを量産。国内では敵なしで「この2年でいろいろなことを経験したので、日本選手権で気持ちを高めるのは難しい」との苦悩もある。同門の萩野、池江のエース格が不在の世界選手権では日本を引っ張る存在としての期待も背負う。残るは400メートル個人メドレーと200メートルバタフライ。孤独な記録との戦いが続く。

 ◆大橋 悠依(おおはし・ゆい)1995年(平7)10月18日生まれ、滋賀県彦根市出身の23歳。草津東高―東洋大卒。3人姉妹の末っ子。6歳で競技を始め、中学3年のジュニアオリンピック200メートル個人メドレーで全国初優勝。17年の日本選手権は200、400メートル個人メドレーで2冠を達成し、初代表となった同年の世界選手権200メートルで銀メダルを獲得。18年のパンパシフィック選手権は2冠。

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