貴景勝、負けた取組から逃げずに勝ち取った「新大関」の座 ピンチの5日目には両親の激励も
2019年04月08日 22:04
相撲
大関昇進には「3場所33勝」が目安とされる中、「2場所24勝」をあげ春場所に挑んだ貴景勝。5日目の玉鷲戦は本来の突き押しが見られず、引き技で墓穴を掘り2敗目、昇進が危うくなった。
現代っ子らしく、土俵以外では「スマホ」を手放さないという貴景勝だが、帰りの車内では、負けた取組の動画を小さな画面で何度も繰り返し見ていた。
その夜、宿舎としているワンルームマンションに、両親が駆け付けた。父、一哉さんは取材に「不安めいていたので…」と語り、息子に「自分の突き押しを信じろ」と伝えたという。小学生から二人三脚で相撲にまい進した父を「太い幹」、母を「そのまわりの枝」と、かねてから感謝の思いを語っていた貴景勝だけに、両親の激励が大きな支えになったとみられる。
11日目は横綱白鵬戦。場所前の稽古で、まったく歯が立たなかった相手に、本場所でも完敗。同番組には「密着を控えてほしい」と申し入れてきたといい、緊張感が極限まで高まっていたことをうかがわせた。そして9勝5敗で迎えた千秋楽はカド番大関の栃ノ心との大一番。「地元で昇進に近づけるか」との実況の声のあと、一気の突き押しで「新大関」という夢を勝ち取った。
帰りの車内で取材に答えた貴景勝は「昨日の夜から相当考えたけど、自分には多彩な技はない。もっている少しの武器で(攻めるだけ)。最後は気持ち。なるようになると思っていた」と振り返り、「相撲を辞めようと思ったこと何度もあるけど、やってて良かったと思える瞬間だった」と語った。
番組では場所後、自室でくつろぐ姿も映しだした。自分のことを「気弱でヘタレ」と評する若者は、東京から「メンタル」の関連本を何冊も持ってきていたほか、部屋の壁にはスポーツ新聞の紙面を貼っていた。
それは、敗戦した玉鷲戦の大きな記事だった。「ふとした時に目に入る。あの取組は負け方が悪かった。こういう無様な写真が載らないように頑張ろうと思いました」。貴景勝は負けた取組から逃げずに戦い抜き、大関の座をつかんだ。
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