データで見る八村のW杯初戦 トルコの包囲網に苦闘 少なかったシュート・チャンス

2019年09月01日 20:09

バスケット

データで見る八村のW杯初戦 トルコの包囲網に苦闘 少なかったシュート・チャンス
イリヤソーバにマークされる八村(AP) Photo By AP
 日本はトルコに67―86で敗戦。トルコのフィールドゴール(FG)成功率は52・1%(73本中38本)に達し、日本は38・5%(52本中20本)と精度を欠いた。
 八村塁(21=ウィザーズ)は31分出場して15得点。FG成功は10本中3本のみで、8月に入っての強化試合11本中7本を決めていた3点シュートは2本とも外した。

 出場時間は31分20秒。ゴンザガ大時代の昨季は37試合で平均30・2分出場して12・6本のFGを放っていたが(成功は7・4本)、トルコの執ようなマークにあってなかなか楽にボールを持たせてもらえず、「明らかに相手はそういうディフェンスをしてきていた」と本人もFG試投数が減少した原因がトルコの戦術にあることを感じ取っていた。出場時間帯のチームスコアは全選手ワーストのマイナス20点。ゴンザガ大時代と8月の強化試合ではほとんどなかった“孤立感”をこのW杯初戦で抱いたのではないだろうか?

 八村にマッチアップしたのはNBAで745試合の出場歴がある208センチ、107キロのアーサン・イリヤソーバ(32)。八村がポストアップしても真後ろでマークするのではなく、ボールと八村の間に体を寄せるいわゆる「ディナイ」を徹底させて日本のエースのポゼッションを削りとった。それがわずか10回に終わったFG試投数ににじみでている。

 八村は相手を背後に置いて手を出して味方のパスが来るのを待っていたが、相手の裏をつく「バックドア・カット」がほとんどなかったために、イリヤソーバは常に“前のめり”で密着。静止した状態でボールを待つのではなく、フェイクをかけてゴールに一気に飛び込むプレーがあればイリヤソーバのディフェンスも変わったはずだが、W杯初戦では課題を残す結果となった。

 トルコは八村がボールを持って動き出すと常にダブルカバー。86―83で勝った強化試合のドイツ戦(八村は31得点)などの情報をかなり分析したあとが見られた。しかしこれは3日に対戦するチェコも同じ。第2戦では(1)どうやって、どこで、パスをもらうか?という明確な目的を持ったバリエーションのある動きと、(2)動き出したときに八村に合わせる渡辺雄太(24=グリズリーズ)ら第2ターゲットの積極的な動きが要求されるだろう。(高柳 昌弥)

 <八村の全プレー>

 ▼第1Q(4得点)=(1)右45度からの3点シュート×(イリヤソーバ)、(2)フリースロー2本〇〇、(3)フリースロー2本〇〇、(4)左45度からジャンプシュート×(オズマン)

 ▼第2Q(4得点)=(5)ゴール下でのレイアップ〇(イリヤソーバ)、(6)スティールからボールを持ち込み左手でダンク〇(イリヤソーバ)、(7)正面から3点シュート×(イリヤソーバ)

 ▼第3Q(3得点)=(8)スティールからゴール下×(エルデン)、(9)フリースロー〇×、(10)ベースライン左サイドからフローター×、(11)フリースロー2本〇〇

 ▼第4Q(4得点)=(12)右サイドからジャンプシュート×(イリヤソーバ)、(13)フリースロー2本〇〇、(14)ローポストからターンアラウンドのジャンプシュート〇(イリヤソーバ)、(15)正面からジャンプシュート×(イリヤソーバ)

 *カッコ内は八村をマークしていた選手

 <個人成績>

 ▼日本=☆八村塁(15得点、7リバウンド、2アシスト、2スティール)、ニック・ファジーカス(15得点、6リバウンド、3スティール)、☆渡辺雄太(11得点、5リバウンド、2アシスト)、田中大貴(11得点、5リバウンド、2アシスト)、馬場雄大(6得点、3リバウンド、4アシスト)

 ▼トルコ=☆アーサン・イリヤソーバ(19得点、10リバウンド、3アシスト)、メリ・マームトグル(17得点)、☆セディ・オズマン(12得点)、☆フルカン・コークマズ(10得点)、セミ・アーデン(8得点、7リバウンド)
 
 ☆はNBAのチームに所属している選手

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