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国学院栃木 報徳にリベンジ 2点差守り切った“魂のタックル”に吉岡監督「ラグビー人生の記憶に残る」

2019年12月31日 05:30

ラグビー

国学院栃木 報徳にリベンジ 2点差守り切った“魂のタックル”に吉岡監督「ラグビー人生の記憶に残る」
<報徳学園・国学院栃木>ノーサイドで歓喜の抱擁をかわす国学院栃木フィフティーン(撮影・井垣 忠夫) Photo By スポニチ
 【第99回全国高校ラグビー第3日・2回戦   国学院栃木14―12報徳学園 ( 2019年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )】 シード校が登場して2回戦16試合が行われ、Bシードの国学院栃木は報徳学園(兵庫)を14―12で下し、1日の3回戦進出を決めた。1回戦で大会史上最多の162得点を記録した相手に、ともに1年からレギュラーのプロップ藤倉大介、SO伊藤耕太郎(ともに3年)がトライ。シード校の意地を見せ、前年度3回戦で敗れた相手にリベンジを果たした。県浦和(埼玉)は青森山田に逆転勝ち。シード校の桐蔭学園(神奈川)、流通経大柏(千葉)は順当に初戦を突破した。
 カバーディフェンスの一歩一歩、タックルの一本一本に魂が宿った。2点リードの後半30分間、国学院栃木は再三のピンチをしのぎ、過去5大会で2度も喫した屈辱のシードダウンを回避。吉岡肇監督も「花園は25回目だがラグビー人生の記憶に残る試合。凄かった」と声を上ずらせた。

 戦前から「ロースコアに持ち込みたい」と語っていた同監督の思惑通りの展開。トライを取ったのが1年から花園の舞台に立っていた2人というのも宿命だった。まずは前半10分、モールでゴール前に迫り、最後は体重125キロの藤倉が力ずくで押し込み先制。5点を追う同30分には伊藤がパスダミーで防御ラインを切り裂き逆転。藤倉は「あそこは理論や技術じゃない」と満面の笑みを浮かべた。

 2人には他にも共通点がある。藤倉は今春、伊藤は昨年、吉岡監督から雷を落とされ、一時謹慎処分を下された。特に独り善がりなプレーを繰り返し、練習中にも指示に歯向かった藤倉は、4月から1カ月間も部を離れた。その期間、校内清掃と自主練習に励み、不協和音が生じていた他の部員の信頼も回復。7月には左膝半月板の手術を受けた藤倉は「大切なことを学べた」とプレーで感謝の気持ちを体現してみせた。

 日本代表SO田村(キヤノン)も指導した吉岡監督は、「度胸が据わっているところ、怒られるタイプなところは似ている」と伊藤を評した。その伊藤も2週間の謹慎を経て精神的に成長。トライに結び付けた優れた状況判断も田村をほうふつさせる司令塔は、「最後は気力で勝てた」。史上最強チームの次の相手は東福岡。九州の横綱にも、魂をぶつけ続ける。

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