福岡堅樹 今季ラストマッチで万感トライ、パナ連勝貢献 五輪目指し7人制へ

2020年01月18日 22:13

ラグビー

福岡堅樹 今季ラストマッチで万感トライ、パナ連勝貢献 五輪目指し7人制へ
<トヨタ・パナソニック>後半、タックルを受けるも交わし、左サイドを突破する福岡=右(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【ラグビー トップリーグ第2節   パナソニック40―20トヨタ自動車 ( 2020年1月18日    豊田スタジアム )】 東京五輪出場を目指して7人制に転向するため、今季最後の出場となったパナソニックのWTB福岡堅樹(27)が終盤に1トライを挙げて開幕2連勝に貢献。スタンドを埋めたリーグ歴代最多を更新する3万7050人のラグビーファンに見送られ、悲願のメダル獲得への挑戦が始まった。
 ノートライで終了か。誰しもそう思い始めた矢先、日本の誇る韋駄天(いだてん)の両脚がうなりを上げた。後半37分、相手のパスが乱れたところを、ゴールに背を向けてインターセプト。即座に加速すると、つまずきながらも持ち直して一気にトップスピードへ。25メートル先のインゴールに飛び込み、敵地ながらスタジアムのボルテージは最高潮に達した。

 試合後、単独で会見に臨んだ福岡は「ちょっと自分のパフォーマンスに納得がいかないい部分があり、試合展開も苦しい中、ああいう形でトライを取ることができ、流れを作ることができた。うれしい気持ちと、ホッとした気持ちがある」と語った。ロスタイムにも1トライを追加し、前半は7―13とリードを許した激戦で、終わってみればボーナスポイントも獲得。価値ある今季3トライ目だった。

 前半30分ごろにはピッチで足を滑らせ、左膝を痛めるアクシデント。その場でテーピングを施してもらったものの、ハーフタイムでロッカーに下がる際にはさえない表情を浮かべた。ボールを持ってもスピードが上がりきらない場面が多く、それが厳しい自己採点につながった。

 それでも後半30分には飛ばしパスをもらって左サイド際を約30メートルゲイン。一度倒れてから再びキャリーする粘りでディフェンスを引き付け、その直後のWTB竹山のトライに結び付けた。ディフェンスやハイボール処理でも卓越したスキルを見せ、フッカー坂手主将も「他のウイングの選手も凄く勉強になったと思う。チームのレベルアップにつながる。みんなで(7人制転向を)応援したい」と惜別の言葉を贈った。

 通算4トライを挙げたW杯後、トップリーグでのプレーを経由せずに、7人制に転向する選択肢もあった。だが開幕戦の熊谷、そして歴代最多を更新したこの日の豊田と、多くのファンが待ち望んでいたことを、福岡は知っていた。「ラグビーに勢いがある。だからこそ僕自身、少しでもトップリーグで見てもらえるように、人気を冷まさないように挑戦させてもらったので、(満員は)うれしい」。15人制、7人制に関わらず、今や「ラグビー」の看板を背負うトライゲッターならではの責任感だった。

 一つの区切りを付け、24日からは埼玉県熊谷市で7人制代表候補の合宿に参加する。「前提として、(五輪の)メンバーに入ることは大変」としつつも、「リオ五輪では4位でも快挙だったが、周りの活躍に埋もれてしまい、悔しい思いもした。やるからには、必ずメダルを目指したい」とはっきり口にした。15年W杯で成し遂げられなかった8強入りは、4年後に達成した。次は五輪メダルの獲得。福岡なら、きっとできる。

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