データで見る八村の第38戦 元米国代表アンソニーとの初対戦で学べること
2020年03月05日 15:09
バスケット
ここでアンソニーは左足をピボットフット(軸足)にして、フリーフットとなった右足で4回のフェイクを試みている。たぶん八村がどんな能力を持った選手かわからなかったので探りを入れたのだろう。八村は間断なく両脚を動かし、さらにハンドチェックもしてきたためにアンソニーはジャンプシュートは打てないと判断。4回目のフェイクで八村の左足が後ろに下がった瞬間にそのスペースを突破し、ドリブルでペイント内に侵入して距離3メートルのジャンプシュートを成功させた。
その1分後。アンソニーは敵陣ベースラインでのスローインから再びリラードからボールをもらって八村に正対。いったん右足をピボットフットにしたあとこれを左足にシフトし(よく見ればトラベリング)、左へドリブルしたあとに右に体を寄せ、そこでワンフェイクを入れて同じ3メートルのジャンプシュートを決めている。つまり同じ距離のシュートながらどちらも脚の運びは変えて八村を揺さぶっていた。
この試合で八村はトレイルブレイザーズのセンターで今季のブロックショット部門で1位となっているハッサン・ホワイトサイド(30)にペイント内でのシュートを4回阻止された。ポンプ・フェイクをしているのだが、ホワイトサイドはまったく動じなかった。なぜなら八村の“立ち位置”が前後左右に動いていないからだ。ボールだけを凝視して、そこに手を合わせる姿は印象的だった。
ディフェンス面での評価が低下しているとは言え、アンソニーのオフェンス・スキルは依然としてNBAのトップクラスだ。八村にとっては目の前で繰り広げられたフットワークは新鮮だったかもしれない。これがNBAで17シーズンも生き抜いて得点王にもなったベテランの持ち味。違うパターンで緩急をつけ、どの方向にも足を踏み出せる動きは八村だけでなく若手選手の“教科書”であるように思う。
八村はアンソニーをスピードあふれるドリブルと、スクリーンからの手渡しパスと見せかけてのドライブインで2度、アンソニーを完全に振り切っている。すべて負けていたわけではない。その能力の高さはアンソニーも感じ取っていたことだろう。本来スモールフォワードなのに五輪では何度もパワーフォワードとしてコートに登場し、欧州のビッグマンたちをフロントサイドのボックスアウトで体を張って止めていた大ベテラン。できればもう一度、ウィザーズの背番号8との対戦を見たいと思うのだが実現するだろうか…。(高柳 昌弥)
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