追悼連載~「コービー激動の41年」その20 存在感を示した夢の祭典
2020年03月07日 08:00
バスケット
ルーキー・チャレンジとは言え50周年記念イベントの一環。監督は東軍がセルティクスの名将だったレッド・アウアーバック、西軍はかつてニックスを率いてファイナル制覇を2度達成しているレッド・ホルツマンという豪華な面々だった。
ここにも運命的なものを感じる。ホルツマンはニックスのスカウト時代、当時ブレッツ(現ウィザーズ)のスカウトだったジェリー・クラウス(その後ブルズGM)を出し抜いてノースダコタ大のフィル・ジャクソンを1967年のドラフト(2巡目、全体17番目)で指名した超本人。ジャクソンはその後、レイカーズでコービーと“合体”することになるのだが、両者が出会う前にホルツマンが2人をつなげていたようにも思える。
ホルツマンは1998年11月13日に78歳で死去。だからコービーの「輝かしい未来」は見ていない。しかし彼はルーキー・チャレンジで垣間見た若者の姿にある種の確信を抱いていたと思う。「こいつはただ者ではない」。ガンド・アリーナでたたき出した31得点は、かつての名将に捧げる最高の贈り物だった。
さてルーキー・チャレンジの次に行われたのが恒例のスラムダンク・コンテスト。もともと1976年に当時NBAの対抗組織だったABAが始めたイベント(優勝はジュリアス・アービング)だったが、1984年からはNBAがその看板を継承し、さまざまな伝説を残している。
1997年のコンテストに出場したのはクリス・カー(ティンバーウルブス)、マイケル・フィンリー(マーベリクス)、ダービン・ハム(ナゲッツ)、ボブ・スーラ(キャバリアーズ)、レイ・アレン(バックス)、そしてコービーの計6選手。さらに5人の審査員の中にはアービングがいた。「審査員の中にドクターJ(アービングの愛称)のような偉大な人がいてくれてよかった。彼はダンクのステータスを高めた人。父(ジョー=76ers時代)とも一緒にプレーしていたし、彼のダンクを見て僕は育った」とコービーは感無量の面持ちだった。それはNBAの壁にぶちあたって悩んでいたルーキーを別なアングルから覚醒させることにつながった。
さてコービーは多数のレジェンドの前で何を見せたのか?それは23年も経過した今でも、多くの若者を刺激する永遠の“一発芸”となった。(敬称略・続く)
◆高柳 昌弥(たかやなぎ・まさや)1958年、北九州市出身。上智大卒。ゴルフ、プロ野球、五輪、NFL、NBAなどを担当。NFLスーパーボウルや、マイケル・ジョーダン全盛時のNBAファイナルなどを取材。50歳以上のシニア・バスケの全国大会には一昨年まで8年連続で出場。フルマラソンの自己ベストは2013年東京マラソンの4時間16分。昨年の北九州マラソンは4時間47分で完走。
おすすめテーマ
スポーツの2020年03月07日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
NBAが無観客試合の導入を検討か? 新型コロナウイルス感染者増加で異例の措置
-
八村 チーム最多8リバウンドで貢献 ビール「勝利を決定づけるプレー」
-
八村と一問一答「この試合は絶対勝とうと」 連敗止まり「流れに乗っていきたい」
-
日本 3連敗でデ杯敗退決定 錦織圭スタンド応援も…
-
データで見る八村の第39戦 成功率65%の至近距離で体感した悪夢
-
ウィザーズがホークスに辛勝 八村は苦闘 FG成功なしは2度目
-
米国で初の無観客試合 カレッジバスケの大会で実施 メリーランド州は厳戒態勢
-
追悼連載~「コービー激動の41年」その20 存在感を示した夢の祭典
-
桃田 東京五輪で「金獲りにいく」 事故後支えてくれた激励に「恩返し」誓う
-
桃田、再確認した競技への思い「自分にはバドミントンしかない 好きだから頑張れる」
-
桃田、自ら要望した会見「感謝の気持ちを伝えたかった」コロナ対策も
-
福士「ラストチャンス」で五輪切符獲る!「大迫くんみたいな」ド派手ガッツポーズ決める!
-
福士と同じワコール勢 一山&安藤も気合「出し切る走りをしたい」
-
野上 記録突破に意欲「信じてくれた人たちに感謝を込めて走りたい」
-
岩出 MGC最下位からの反攻へ「やるべきことを本番で出す」
-
会見場で厳重コロナ対策 記者との距離5m、マイクは消毒、空気清浄器7台…
-
大塚 “大迫超え”は断念「少しでも上の順位を目指して走る」
-
朝乃山、大関獲りへ徳勝龍先輩覚悟!先場所幕尻V近大OBに「胸借りる」
-
大相撲春場所、37・5度以上で休場「2日連続」に緩和 支度部屋へ携帯電話持ち込み可
-
大相撲春巡業は全日程中止 春日野巡業部長「勧進元(主催者)の総意」
-
柔道男子66キロ級五輪争い 城志郎VS一二三 無観客開催へ
-
ボミら韓国勢、新型コロナの影響で入国制限に動揺 開幕第3戦の開催不透明で帰国できないリスクも…
-
松山、終盤不調も11位発進 14、16、18番ミス「凄く腹立たしい」
-
奈紗、渡航制限の事態を恐れて早め渡米「下手したら隔離されちゃうかも」
-
飯塚 メルボルンの陸上大会出場断念 豪入国条件満たせず
-
“無観客”デ杯予選 添田、内山敗れ本戦黄信号…「まだチャンスはある」
-
WHO 東京五輪「無観客」開催のリスク&利点を検討 NYタイムズ報じる
-
スポクラ五輪選考「いい状況ではない」 IFSC小日向副会長
-
福岡、テレビ電話取材で決意 7人制ラグビー代表候補合宿参加
-
サンウルブズ、代替地豪州で47失点4連敗 中5日の影響で先発10人を入れ替えも完敗
-
アルペンスキースポニチ杯 小林がレギュラーの部で優勝
-
全国小学生ゴルフ中止 コロナ感染拡大で