朝乃山、口上で“母校の校訓”を引用「相撲を愛し、力士として正義を全う」
2020年03月26日 05:30
相撲
「大関の名に恥じぬよう相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」
大阪市中央区の高砂部屋宿舎で相撲協会からの使者である出羽海理事(元幕内・小城乃花)と千田川審判委員(元小結・闘牙)を迎えた。大銀杏(おおいちょう)に紋付きはかまの正装に身を包み、金屏風(びょうぶ)の前に敷かれた赤い毛氈(もうせん)の上でかしこまる。新型コロナウイルス感染拡大防止のため取材は代表2社に限られ、カメラのフラッシュは激しくない。それでも土俵とは勝手が違う緊張に包まれ、無事に終わると自然に笑みが浮かんだ。
口上では極めて珍しい「愛」を語った。「中学から相撲をやってきて(相撲で勧誘され)高校、大学と進学しました。高校の校訓(教育目標)にある“愛”と“正義”、中学から使っている“一生懸命”を入れました」。母校・富山商時代の恩師で17年1月に40歳で他界した浦山英樹さんから熱心に勧誘されて本格的に競技に励んだ。今や代名詞といえる右四つを仕込まれ、近大進学、角界入りの道を開いてもらった。しこ名「朝乃山英樹」には恩師の3文字が入る。口上には、母校の校歌にもある言葉「愛」「正義」を加えて恩師への感謝を込めた。そして「一生懸命」の四字熟語は、師匠の高砂親方が83年春場所後の大関昇進時に口上として使っている。本人は「そのことは知らなかった」という。サインを求められた際に書き添える好きな言葉。結果的に、ここまでの相撲人生を全て反映させる内容となった。
16年春場所デビューから4年で大関の地位を手にした。「こんなに早く大関になれるとは思わなかった。まだ慣れていないが、大関と言われるからには(協会の)看板力士。しっかりした言動をしていきたい」。新たな門出の日に天国の恩師へ「もう一つ上の番付(横綱)があるので、そこを目指して頑張ります」と誓った。一層の精進で有言実行あるのみだ。
▽大関の待遇 日本相撲協会の看板力士として各種行事に横綱とともに参加する。月給は横綱の300万円に次ぐ250万円。関脇、小結よりも70万円アップする。2場所連続で負け越すと陥落するが、関脇に落ちた場所でも10勝以上を挙げれば翌場所に復帰できる。場所入りは運転手付きの自家用車の利用が許され、移動時の新幹線はグリーン車。海外公演などの航空機はファーストクラスとなる。横綱昇進は2場所連続優勝か、それに準じる成績が必要。
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