伊藤美誠、オトナの誓い 20歳で五輪“私、負けないので”
2020年05月08日 05:30
卓球
思わぬ形で1年延期となった東京五輪。国際卓球連盟(ITTF)は7月末まで全活動を停止し、ナショナルトレーニングセンターも閉鎖。困難な日々は続くが、“19歳”の伊藤は前向きだ。10月21日が誕生日。「(当初の)五輪が終わって2カ月誕生日が来ないので、おめでとうの乾杯ができない」状況は期せずして変化した。来年20歳で迎える五輪は飲酒も解禁。「(優勝後に)そのまま乾杯できるうれしさがあります」と異例の事態にも楽しみを見つけた。
祝杯に不可欠な金メダルも射程圏内だ。4月発表の世界ランクは現行制度では男女通じて日本人史上初の2位に浮上。3月のカタール・オープンではリオ五輪金メダルの丁寧(中国)に完封勝ちするなど押しも押されもせぬエースに成長した。世界1位の陳夢(中国)に一度も勝てていないことさえ「勝ったことのない選手が上にいることはやりがいがある」と逆に伊藤の闘志に火を付けている。
今年の目標を「無敗の女」とした伊藤。外出自粛の中、ストレス発散方法は「私、失敗しないので」が決めぜりふの外科医・大門未知子が活躍するドラマ「ドクターX」の観賞だ。「今はめっちゃはまっています。強い女性のドラマや映画が好きなので勇気付けられたり、元気をもらっている」と明かした。
自宅では過去の試合の映像をチェックしたり、目の疲れを取る運動も取り入れる。「一日一日、いつ試合が来ても大丈夫なように実力を上げて待っている」。自信の笑みだ。東京五輪まであと441日。最強の伊藤が無敗ロードを突き進む。
《日本人過去最高2位》ITTFは4月16日には最新の世界ランクを発表したが、国際大会の中止や延期が相次いだことから、今後は世界ランクの更新は一時凍結。伊藤は現行のランキング制度が始まった91年以降、男女通じて日本勢最高位となる2位に浮上している。
【美誠の卓球年表】
☆2歳 卓球を始めたのは母・美乃りさんの影響。
☆6歳 07年1月に全日本卓球選手権で3冠(シングルス、ダブルス、ジュニア)を達成した同郷で同じ「豊田町卓球スポーツ少年団」出身の水谷を祝福。
☆10歳 全日本選手権で初勝利。福原愛の持つ史上最年少勝利記録を塗り替えた。
☆12歳 全日本選手権女子ダブルスで平野とペアを組み大会最年少勝利。
☆13歳 ドイツオープンで平野美宇と組んだ女子ダブルスでツアー最年少優勝。
☆14歳 ドイツオープン女子シングルスで初優勝。14歳152日での優勝は史上最年少でギネス世界記録に認定された。
☆15歳 16年リオデジャネイロ五輪団体で銅メダルを獲得。
☆17歳 世界選手権団体戦で8戦全勝で日本の準優勝に貢献。大会最優秀選手賞を受賞した。
☆18歳 全日本選手権女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスで女子史上初となる2年連続3冠を達成。
☆19歳 現行制度では日本史上初の世界ランク2位に浮上。
◆伊藤 美誠(いとう・みま)2000年(平12)10月21日生まれ、静岡県磐田市出身の19歳。2歳から卓球を始めた。11年に10歳で全日本選手権の女子シングルスで白星を挙げ、福原愛の最年少勝利記録を更新。16年リオ五輪団体銅メダル。現在、世界ランクは2位。1メートル52。利き腕は右。
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