「プッシュ、プッシュ」小錦、大関前進!ウルフのけ反らせた強烈右喉輪

2020年05月09日 05:30

相撲

「プッシュ、プッシュ」小錦、大関前進!ウルフのけ反らせた強烈右喉輪
1987年5月21日、大相撲夏場所12日目。横綱・千代の富士(左)を押し出しで破る関脇・小錦 Photo By スポニチ
 【Lega-scene あの名場面が、よみがえる。~大相撲編~】昭和、平成の名場面をスポニチ本紙秘蔵写真で振り返る「Lega―scene(レガシーン)」。大相撲編の今回は、1987年(昭62)5月21日、東京・両国国技館で行われた夏場所12日目の横綱・千代の富士―関脇・小錦です。外国出身力士初の大関昇進を目指し、ハワイ出身の巨漢が第一人者に挑みました。
239キロの23歳から放たれる重い突きは
優勝回数を20回まで伸ばしていた
31歳の横綱をも寄せ付けなかった。
もろ手突きで千代の富士の
上体を起こすと
回り込む隙を与えず
プッシュ、プッシュ。
強烈な右喉輪でのけ反らせ
勝負を決めた。

関脇で10勝、10勝、11勝と
積み重ねて迎えた大関獲りの場所。
昇進目安の3場所33勝には
12勝が必要だった。
10日目に3敗目を喫し
崖っ縁に追い込まれた終盤戦。
11日目の双羽黒に続いて
横綱を連破した。
千代の富士戦は3連勝。
これで「苦しいけど、頑張るね」と
息を吹き返した。
残り3日間も勝ち
外国出身力士初の大関昇進を果たした。

ハワイ出身の先輩である高見山から
熱心なスカウトを受けて角界入り。
入幕2場所目に金星2つを挙げ
「黒船襲来」と恐れられた。
前相撲から30場所での大関昇進は
当時、最速記録だった。
その後は3度の幕内優勝を果たした。
大関在位は6年半。
昭和から平成にかけての小錦の活躍は
大相撲の国際化に拍車をかけた。

 ≪87年夏場所 大関・大乃国が全勝初V≫87年夏場所は昭和の相撲史の大きな節目となった。大関・北勝海は千秋楽まで優勝争いを続け、連覇は逃したものの13勝2敗の好成績を挙げた。「昇進は微妙」との見方もあったが、場所後の横綱審議委員会では品格と稽古熱心さを評価され、第61代横綱に昇進した。この場所を制したのは大関・大乃国。千秋楽に1差で追っていた北勝海を破り、初優勝を全勝で飾った。そこから12勝、13勝と好成績を重ね、同年の秋場所後に第62代横綱となった。

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