「僕は君を知らない」…反骨心を力にした折茂武彦 送られた労いの言葉「バスケと言えば…」
2020年05月11日 12:45
バスケット
いつも、反骨心が折茂の原動力となってきた。北海道に移籍したのが07年。当時リーグトップクラスの資金力を誇っていた実業団のトヨタ自動車(現A東京)から、新設したレラカムイ北海道(当時)に身を移した。周囲はほぼ全員が反対したというが、それを押し切ったのは“プロチーム”だったからだ。当時はリーグ内に実業団とプロが混在。さらに、1億5000万円のサラリーキャップ(年俸総額制限)が定められていた。
「トップ選手が稼げない競技なんて、若い子が憧れないですよね? 野球やサッカー選手はいい服を着て、いい車に乗って、いい姉ちゃんを引き連れて六本木でガンガン飲んでいる訳ですよ。確かに日本でバスケットボールはマイナースポーツかもしれない。けど、負けたくなかった。バスケ選手だって同じように稼げるって証明したかった」。競技のメジャー化のため、リーグ最年長としてコートに立ち続けてきた。
昨年10月。19―20年シーズン開幕を前に折茂は残り1シーズンでの引退を発表した。札幌市内で行われた引退会見では「責任を果たせた思いが一番強い」と語った。昨年にはBリーグから初の1億円プレーヤーが誕生。八村塁や渡辺雄太などNBAでプレーする選手が日本から生まれるなど、日本バスケットボール界が発展してきたことで、「子どもたちに夢や希望を与える選手が出てきた」。背負ってきた肩の重荷をようやく下ろした。
27年目のラストシーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3月途中でリーグ戦が打ち切られての幕引きとなった。バスケ界を問わず、様々な著名人から惜別の言葉が贈られる中、現在日本トップリーグ連携機構会長を務める川淵氏は今月5日、自身のツイッターを更新した。「折茂さん。長い間日本のバスケ界を牽引してくれてお疲れ様でした。代表のエースとして活躍していた時代、バスケと言えば折茂でした」と。(記者コラム・清藤 駿太)
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