貴花田 千代の富士から史上最年少金星 現在も記録18歳9カ月
2020年05月25日 05:00
相撲
「ぶつかり稽古で胸を借りるようなつもりでした」。のちにそう述懐した一番。浅く右を差して左からおっつけ、千代の富士にまわしを与えなかった。左上手を許した千代の富士が体勢を立て直そうと動いたところで、低い体勢のまま走った。「ただ前に出ていくことだけを考えていました」。反撃を許さずに黒房下に寄り切り。現在でも最年少記録である18歳9カ月での金星を成し遂げた。
角界の頂点に立つ千代の富士を破って「大変うれしいです」と答えたものの、感情は表に出さなかった。「勝負には勝つか負けるか2つに1つ。特別な気持ちはありません」。その後、第65代横綱・貴乃花となる貴花田は、当時から孤高な力士だった。