女子マラソン、調整は難しい作業に 右足故障の鈴木は焦らないことが必要
2020年07月04日 05:30
マラソン
東京五輪のマラソンコースは急きょ都内から札幌に変更になり、しかも正式にコースが発表されたのは昨年12月になってからでした。現場では戸惑いの声も多かっただけに、改めて対策を検討する期間が与えられたのは、全員に共通するメリットだと思います。
瞬発系の種目と違って、マラソンは1年延びたからといって年齢的な面での影響はまずありません。ただ、感染防止のために国内外のロードレースはほとんどが中止になり、秋以降もどうなるのか現時点では予測がつきません。その中でどうやって調整し、駆け引きなどの経験を積み重ねていくのか。恐らく、誰も経験したことがない難しい作業になるはずです。
1月末に右足を故障した鈴木は今回の延期をプラスと考えて、今は焦らないことが大切です。前田と一山は、もし今冬のレースが予定通り開催されるのなら、練習を兼ねてどこかでハーフかフルマラソンを走ってもいいと思います。ただ、あくまでも調整の一環なので、変なプレッシャーがかかって故障をしないように、小さなローカル大会に出るのも一案でしょう。
これから先は何が起ころうと、そのたびに自分で考え、常にプラスに持っていくことが大切です。実際のレースでは次々と想定外のことが起きます。その時の訓練をしていると思えばいいのです。
女子選手はホルモンの関係で男子よりも体調の変化が大きいです。あと1年、まずは健康管理に気をつけて、1年後には悔いのない走りをしてほしいと心から願っています。
◆有森 裕子(ありもり・ゆうこ)1966年(昭41)12月17日生まれ、岡山市出身の53歳。日体大から89年にリクルートへ入社。91年の大阪国際女子マラソンで2時間28分1秒の日本最高(当時)をマーク。92年バルセロナ五輪で銀メダル、96年アトランタ五輪でも銅メダルを獲得。
おすすめテーマ
2020年07月04日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
白石、出身地の鹿児島で今季初戦 200メートルを制す
-
荒磯親方、34歳の誕生日 ファンの大歓声思い出しつつ「早く戻ってほしい」
-
日本相撲協会 ウイルス抗体検査の結果を来週にも公表へ
-
ハネタク、自慢のターンに手応え W杯初戦に向け「ペースを上げていきたい」
-
世界MVP2度のB・バレット サントリーへ加入発表
-
元ラグビー日本代表・箕内氏 日野のヘッドコーチに就任
-
バレー女子日本代表、6日に合宿再開 3段階に分け選手&スタッフ招集
-
ハンド元日本代表・宮崎大輔、右肩手術から退院 来年の実戦復帰目指す
-
全仏OP、観客動員を収容人数の6割に制限 決勝は1万人の観戦可能に
-
NBA、9選手がコロナ陽性 6月26日発表の16人と合わせ合計25人に