NBAの3試合が延期 東地区第1シードのバックスがボイコット 警官の黒人銃撃に選手が抗議
2020年08月27日 07:52
バスケット
バックスの本拠地はウィスコンシン州ミルウォーキーで、23日にはそこから南に60キロほど離れたケノーシャで3人の子どもがいる車に乗ろうとした29歳のジェイコブ・ブレイクさん(29)を警官が背後から銃撃。病院に搬送されたものの下半身が麻痺している状態に陥り、これを受けてケノーシャでは抗議活動が激化した。
米国のミネアポリス(ミネソタ州)では今年5月、46歳のジョージ・フロイドさんが警官に膝で頭部を押さえつけられて窒息死したばかり。抗議行動は全米規模に広がり、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でオーランドでの一括開催という形でシーズンを再開させたNBAはコートに「BLACK LIVES MATTER(黒人の命も大切だ)」というスローガンを記してその抗議活動を支持する姿勢を見せていた。
しかし再び起こった“惨劇”で選手たちには動揺が広がり、バックスのガード、ジョージ・ヒル(34)は24日、「ここでこんなこと(バスケットボール)をしいている場合ではない。(警官による)不正と殺人にはもううんざりだ。バブル(オーランドでの再開シーズンの呼称)の中で我々は抑圧と不安に向き合っている」と語っていた。
カナダ・トロントを本拠にしているラプターズの指揮官で、今季の最優秀監督に選出されたニック・ナース監督(53)も「選手たちは短い期間で再びこんなことが起こってしまい深く悲しんでいる。彼らは正義を望み、この問題の解決につなかる一部になろうとしている」とバックスの選手たちによるボイコットを支持。なお27日に東地区準決勝の初戦を行うラプターズとセルティクスの選手たちはこの日、自分たちがどう対応するかのミーティングを実施。試合当日にも再度、話し合いを行って試合に臨むのかどうかを決めるとしている。
NBAは7月末にシーズンを再開させ、ここまで新型コロナウイルスへの感染者を1人も出さずに試合を消化してきたが、再び大きな問題と直面。アフリカ系アメリカンの選手の比率が高いこともあって、アダム・シルバー・コミッショナー(58)がどのような判断を下すのかが注目されるところだ。
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