荒磯親方 正代に“ノルマ”2桁必ず「誰からも文句言われないために」

2020年11月08日 05:30

相撲

荒磯親方 正代に“ノルマ”2桁必ず「誰からも文句言われないために」
正代 Photo By スポニチ
 新型コロナウイルスの感染防止のため、東京開催となった大相撲11月場所は8日、東京・両国国技館で初日を迎える。白鵬(35=宮城野部屋)、鶴竜(35=陸奥部屋)の両横綱が2場所連続で初日から休場となり、新大関の正代(29=時津風部屋)ら3大関に看板力士としての責任がのし掛かる。混戦模様の場所を引っ張るのは誰なのか。本紙評論家の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が展望を語った。
 今場所も両横綱が休場となりました。白鵬がここまでケガに苦しむのは珍しいことですが、これで誰が優勝してもおかしくない場所になりました。

 秋場所を優勝した正代は3場所合計32勝(8勝、11勝、13勝)で新大関となりました。昇進の目安は33勝と言われていますが、私も32勝(10勝、12勝、10勝)で上がりました。誰からも文句を言われないために、私が新大関の場所で目指したのは11勝でした。それで3場所合計33勝となるからです(結果は11勝4敗)。正代もただ勝ち越すだけでなく、大関の責任として10勝は求められる場所になります。

 初日は若隆景、2日目は霧馬山との対戦となりました。両者とも伸び盛りで、若隆景はおっつけの強さがあり、霧馬山は右四つのうまさがあります。様子を見に行くような相撲を取ると負ける確率が高くなります。今年に入って出足が良くなっているのだから、そういうところを意識していくことが大事です。圧力をかける相撲が取り切れれば、2桁勝利だけでなく連続優勝も見えてくるはずです。

 右四つの型を持っている朝乃山ですが、先場所は最後の最後まで足が流れて軽さが目立ちました。大関としての責任を果たすには、先場所の反省を生かして重さと強さを追求していってもらいたいと思います。貴景勝は押し相撲ながら波がないということが強みです。負けた次の日も修正してきて引きずることがありません。一日一日集中して自分の相撲を取りきれるようになれば、さらに安定感が出てくるでしょう。

 照ノ富士、高安は苦労して三役まで戻ってきました。照ノ富士は7月場所で優勝した相撲を見ていると、まだまだいけると感じます。高安とは場所前に稽古をしましたが、相手の力を殺して自分の力を最大限に生かすような相撲が取れればまた大関が見えてきます。

 隆の勝は前に出ることを徹底して関脇に上がりました。少し前からすると、上と下が入れ替わったような番付になりました。うまくベテランと若手が融合されていて、面白い場所になりそうです。 (元横綱・稀勢の里)

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