ラグビー15年W杯代表、五郎丸歩 TL新シーズン限りで引退 南ア戦金星の立役者 16日会見
2020年12月10日 05:30
ラグビー
関係者によれば、チーム内に後継者となる若手が育ってきたこと、昨年のW杯で次世代の日本ラグビー界を引っ張る選手が台頭してきたことなどを勘案し、大きな決断を下したもよう。新型コロナウイルスの影響で今季のTLも予定通り開催されるか不透明なことから、異例のシーズン前発表となった。16日に浜松市内で記者会見を開き、決断に至った経緯、ラストシーズンに懸ける思いを語る。
五郎丸の名が一躍、全国区となったのは15年W杯。1次リーグ初戦で世界ランク3位、優勝2度(いずれも当時)の南アフリカと対戦し、1トライ2ゴール5PGで24得点の活躍。歴史的勝利の立役者となった。試合後には「必然です。ラグビーに奇跡なんてない」と断言。W杯期間中はその語録でもファンを魅了した。結果的に1次リーグで3勝を挙げながら8強入りを逃したものの、キックの際に両手を体の前で合わせる独特の「五郎丸ポーズ」で話題となり、時の人となった。
両親の影響で3歳からラグビーを開始。佐賀工では3年連続で花園に出場し、早大でも1年からFBのレギュラーを獲得。2年生だった05年4月に代表初キャップを獲得したが、定着はできなかった。07、11年W杯も代表入りならず。決して順風満帆なラグビー人生ではなかったが、12年にエディー・ジョーンズ氏がヘッドコーチに就任すると、同氏の下で才能が開花。15年W杯までの4年間で先発51試合(非テストマッチを含む)は断トツで、日本代表歴代最多の711得点を挙げるなど、エディージャパンに欠かせない存在にまで成長した。
現在の五郎丸は春の緊急事態宣言下で主将の大戸らと走り込みや筋力トレーニングに励んだこともあり、古傷の右肩の状態も良好だという。昨季はコロナ禍でわずか6試合で打ち切りとなっており、周囲には「不本意なシーズンだったので、今季こそ優勝したい」と語っているという。TLは22年1月に新リーグに移行する予定で、今季がラストシーズン。有終の美を飾るべく、五郎丸が完全燃焼する。
▽今季のトップリーグ(TL) 第1ステージ(S)は16チームがレッド、ホワイトの2カンファレンスに分かれて総当たりを行う。第1Sの成績に従って第2Sでは4組に振り分けられ、各組上位2チームまでが5月のプレーオフトーナメントに進出。8、9日に準々決勝(各地)、15、16日に準決勝(花園)、23日に決勝(秩父宮)が行われ、最後のTL王者を争う。
◆五郎丸 歩(ごろうまる・あゆむ)1986年(昭61)3月1日生まれ、福岡県出身の34歳。佐賀工、早大と進み、大学1年時の05年3月に日本代表に初選出され、同年4月16日のウルグアイ戦で初キャップ。08年4月にトップリーグのヤマハ発動機入り。15年W杯イングランド大会で大会ベストフィフティーン。翌16年にはスーパーラグビーのレッズ(オーストラリア)、16~17年はフランス1部リーグのトゥーロンでプレーし、17年度にヤマハ発動機に復帰。日本代表 通算57キャップ。1メートル85、100キロ。ポジションはFB。
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